素人は宙に浮く!?2人がかりでも……アームレスリング日本代表、腕力で世界一を目指す! 福島

腕相撲を競技にしたスポーツ「アームレスリング」。日本代表として世界大会に出場し、右腕で9位、左腕で10位になった男性が福島県郡山市にいます。世界のトップを目指す男性の腕力に注目します。

一瞬で勝負が決まったり、5分以上の長期戦にもつれたりすることも。腕っぷしの強さを競うアームレスリング。腕相撲とは違い「台の上からひじを離してはいけない」などの公式ルールがあります。

自慢の腕力で世界を舞台に活躍しているのが、郡山市の会社員・宍戸俊之さんです。

身長188センチ、体重140キロ。前腕の太さは生後3か月の赤ちゃんの頭のサイズとほぼ同じ40センチ!

立ち上がりに一気に相手を倒すスピードを武器に、国内では敵なしの存在。去年は、カザフスタンで開催された世界選手権に日本代表として出場しました。

宍戸俊之さん「正解がないのと、勝敗がすぐ着くので個人スポーツとしてはだいぶ面白い」

素人は宙に浮く!?2人がかりでも…

世界を相手にするパワーはどれほど強いのか…もちろん、素人が両手を使っても全く歯が立たず、体は宙に浮いてしまうほどです。

同じアームレスラーの屈強な男性2人が相手でもかないません。

チームメイト「話にならない。全く歯が立たない」 チームメイト「動くのは動くが勝てる気がしない。彼はやばい」

宍戸さん「2人相手のほうが練習になりますね」

2トントラックも軽々!職場には3人のアームレスラー

さらに、なんと2トントラックが相手でも…。

アームレスリングで重要な片手で引く力だけで軽々と動かしてしまいました。

宍戸さん「世界に比べたらまだ(海外選手のほうが)強いです。普段の練習の成果だと思う」

普段行うのは実戦練習のみ。徹底した組み手で、競技を始めたころに比べて体重は25キロ増加、スーツを3回買い換えるほど体が大きくなりました。

日中は墓石の改修工事などを行う職場で働いています。

宍戸さん「(石を持ち上げるのに)広背筋を使うのでアームレスリングに通ずるものがある」

体力が重宝される職場にはアームレスラーが3人もいて、職場の上司の鈴木達也さんもそのうちの1人です。

鈴木さん「(宍戸さんは)力はすごい。本来石は重いが軽く持ってくるのでそれを渡されるとどうしていいか分からない」

周りにアームレスラーがいることで、休憩時間は自然と競技の話になるといいます。

鈴木さん「休憩時間はアームレスリングの話ばかり。どの大会に出るとかこの選手に負けたのはなんでとか」 宍戸さん「仕事の環境は私にとっては恵まれている。アームレスリングの話も365日できるので。最初のうちは(鈴木さんに)勝てなかった。負けて悔しくて」 鈴木さん「急に伸びた感じ。今はもう怪物」

「体一つでチャレンジできる」目標は世界チャンピオン

実はこれまで野球やラグビーなど様々なスポーツに挑戦してきた宍戸さん。しかし、チームプレーが求められる状況に少なからず葛藤を抱えていました。

宍戸さん「個人競技のほうが向いていたのかなと。団体スポーツをやりながら思っていた」

知人に誘われてたまたま始めたアームレスリング。個人の力量が最大限発揮できる競技性にすぐに魅了され、競技を始めて9年が経った今も向上心は高まるばかりです。

宍戸さん「誰でも体一つでチャレンジできる。大人になってから表彰されたり、そういう喜びもあるのでかなりいいと思う」

競技に打ち込むうちに、人間的な成長も実感しています。「チャンスを与えてくれたアームレスリングで地域の活性化に貢献したい」。そんな思いから、所属する道場の先輩たちと、全国から参加者を募り、誰でも出場できる大会を県内で開催しました。

アームレスリングから繋がったたくさんの縁。多くの人に支えられた恩返しの気持ちを胸に、さらなる高みを目指します。

宍戸さん「まずは世界大会でメダルを取ること。あわよくば優勝までできればいい。そこを目標にがんばっていきたい」

福島から世界チャンピオン誕生なるか、今後も注目です!

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