ランボルギーニSC63のホモロゲーションが完了。1台目のレース用シャシーもシェイクダウン

 ランボルギーニは、2024年から参戦を開始するWEC世界耐久選手権とIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権における新型LMDh車両『ランボルギーニSC63』のホモロゲーション・プロセスを完了し、最初のレース用シャシーをロールアウトしたと明かした。

 アイアン・リンクスと提携してふたつのシリーズでの並行プログラムに取り組むこのイタリアのメーカーは、昨年末にIMSAのプロセスを経たものと同じシャシーを利用し、1月初めにFIA世界自動車連盟とACOフランス西部自動車クラブからホモロゲーションを取得した。

 このプロセスには、それぞれのチャンピオンシップに向けて車両の空力構成を検証するための、ザウバー(WEC) とウィンドシア (IMSA)での風洞セッションが含まれている。

「我々はホモロゲーション手続きを完了したところだ」とランボルギーニ・モータースポーツ責任者のジョルジオ・サンナは、先週末デイトナ・インターナショナル・スピードウェイで開催されたIMSA第1戦で記者団に対し語った。IMSAには第2戦セブリング12時間から、耐久レースのみに参戦を予定している。

「まず我々はIMSAでホモロゲーションを取得し、1月初旬にFIAとACOに対しても同様のことを行った」とサンナ。

「我々はすべてのプロセスを完了した。ちょうど(先週)最初のレースカーのシェイクダウンも完了している。それが(WEC開幕戦)カタールに出場する車両となるだろう」

■テスト用車両でIMSAデビューの可能性も

 サンナは、最初のレース用シャシーのシェイクダウンがシャシー・コンストラクター、リジェ・オートモーティブのワークショップに隣接するマニクールで行われたこと、そして3月2日のWECシーズン開幕前に2回の追加テストが計画されていることを明かした。

 WECに出場するシャシーはカタールに先立ってバルセロナ・カタルーニャ・サーキット(スペイン)でテストを行う。一方、ランボルギーニの現在のテスト用シャシーは、2月にセブリング・インターナショナル・レースウェイ(アメリカ・フロリダ州)で耐久テストを行うという。

「現在、2台の車両があり、今後3台目が完成する予定だ」とサンナ。

「目標はセブリングまでに(2台目のレース用シャシーを)用意することだが、スペアパーツの手配が必要なので、それが優先事項ではない」

 サンナは、このテストカーは「非常に良い状態」であるため、理論的にはセブリング12時間での米国デビューに使用できる可能性があると明らかにした。

 ランボルギーニの最高技術責任者ルーヴェン・モールは、彼らがこれまでに1万キロ近くのテストを完了したと語っている。

「開発中、我々はバーチャルでもテストベンチ側でも、できる限りのことを行った」とモール。

「我々はエンジン、ドライブトレーン全体、そして事前にテストできるすべてのことについて、すでに多くの長距離走行を稼いでいる」

「とにかく、タイミングが非常に厳しいものであったことは明白だった。なぜなら、8月にロールアウトをした一方で、ドーハでの最初のレースは3月初旬を目標としていたことは分かっていたからだ」

「ここ数カ月、数年の経験を見てみると、このスケジュールを立てるのは非常に困難だ」

「そのため、我々はできる限り多くのことを予測しようと努めたが、我々の観点からすると、クルマの走行距離目標を超えることすらあった」

「唯一確実なことは、セブリングでもう一度ロングランをするということだ。なぜならセブリングは、とくにトラック・コンディションの要件から、信頼性に関して確認しなければならないもうひとつのマイルストーンだと考えているからだ」

2023年12月、デイトナ・インターナショナル・スピードウェイでIMSAの公認テストに参加したランボルギーニSC63

 モールは、カタールでのWEC開幕戦の10時間レースがSC63の最初のレースとなるため、現実的な期待を持って中東に向かうと語った。

 1台体制のWECプログラムでは、ミルコ・ボルトロッティ、ダニール・クビアト、エドアルド・モルタラがステアリングを握る。

「このシーズン、少なくとも最初のレースでは、多くのことを学ばなければならないのは確かだ」とモールは語った。

「そうすれば、学びながら、同時に競争力を見せていくことも可能だ」

「目標は競争力を見せることだが、まだ始まっていない段階では、自分たちがどこにいるのか、まったく分からない」

「単にラップタイムを刻むことだけが問題ではない。我々はすでに、このクルマに競争力があることを証明した。いまは安定性を保つことが重要であり、その安定性はステップ・バイ・ステップで達成するものだ」

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