マネタリーベース、1月は4.8%増に鈍化 紙幣は91年4月以来の減少率

Takahiko Wada

[東京 2日 ロイター] - 日銀が2日に発表した1月のマネタリーベースの平均残高は、前年比4.8%増の668兆0019億円だった。伸び率は前月の7.8%を大きく下回った。前年同月に比べて国債買い入れが大幅に減ったことが要因。キャッシュレスの進展に加え、個人消費の増加で現金を取り崩す動きが一部で出たとみられ、紙幣は1991年4月以来の減少率となった。

マネタリーベースの内訳は、日銀当預が6.1%増の540兆3607億円で、伸び率は前月の9.9%を下回った。1月の日銀の国債買い入れ額が5兆9486億円となり、23年1月の23兆6902億円の約4分の1になったことが伸び率の縮小につながった。

紙幣は0.4%減の122兆8832億円、前年比マイナスは2カ月連続。貨幣は1.9%減の4兆7580億円だった。

1月末のマネタリーベース残高は670兆0767億円で前月を下回った。

マネタリーベースは、市中に出回っている現金と金融機関が日銀に預けている当座預金の合計値で、日銀が供給する通貨を表す。

(和田崇彦)

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