人が死んでいるのに会話を楽しみながら食事をする家族 祖父が突然口から血 「みなに幸あれ」本編映像

「日本ホラー映画大賞」の初大賞受賞作品を長編化した映画「みなに幸あれ」(公開中)から、不穏さと絶望感にあふれた家族の食卓シーンの、本編映像が公開された。

映像では、家族が食卓を囲む中、主人公・孫(古川琴音)だけが取り乱した様子で、「絶対におかしいって!」「目を覚ましてよ!」と、必死な姿で両親に何かを訴えかけている姿を見せる。それを面倒くさそうにあしらう父親と、「目を覚ますのはあなたの方よ」と穏やかにほほ笑む母親。そして家族は、何事もなかったかのように何気ない会話を楽しみながら食事を始める。

誰一人自分の話を聞いてくれない異様な状況を飲み込むことができない孫は、荷物をまとめて怒りをぶつける。「狂ってるよ!人が死んでんだよ!」と声を荒らげる彼女を母親が鼻で笑った次の瞬間、突然祖父が口から血を噴き出す。衝撃的な光景を目の前にして固まる孫をよそに、食事を続ける家族。「始まったのね」「まずいな、早く見つけないと」「お姉ちゃんがきっと治してくれるから」「あなたのせいでこうなったんだから早く次を見つけてきなさい」と、畳み掛けるように孫へ浴びせられる家族の言葉。彼らの言葉が意味するのは、恐ろしい“幸せの本質”だった。

「みなに幸あれ」は、看護学生の“孫”が得体の知れない恐怖と対峙していくホラー映画。ひょんなことから田舎に住む祖父母に会いに行く孫。久しぶりの再会に、家族水入らずで幸せな時間を過ごすも、孫は祖父母の家には「何か」がいるという違和感を覚える。そしてある時から、人間の存在自体を揺るがすような根源的な恐怖が迫って来る。同名タイトルの短編映画で「日本ホラー映画大賞」を受賞した下津優太が監督。短編を長編へとスケールアップし、商業映画デビューを果たした。日本ホラー映画界の重鎮である清水崇が総合プロデュースを手掛けた。古川琴音が主演している。

【作品情報】
みなに幸あれ
2024年1月19日(金)ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開
配給:KADOKAWA
©2023「みなに幸あれ」製作委員会

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