オリックスのネクストブレイク候補・佐藤一磨、育成契約の大型左腕はスターダムを駆け上がるか

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身長190センチ、2023年ウエスタン最多勝

大エース山本由伸がMLBドジャースに移籍したオリックス。その穴が簡単に埋まるはずはないが、それでも宮城大弥、山下舜平大、東晃平ら高卒でプロ入りした投手が次々に出てくる育成力には定評があるだけに、次なるブレイク候補は誰なのか気になるところだ。

その候補の一人が佐藤一磨。横浜隼人高から2019年育成1位で入団した22歳の左腕で、現在も支配下登録されていないものの、昨年はウエスタン・リーグで19試合に登板して8勝(3敗)を挙げ、阪神・秋山拓巳と並んで最多勝に輝いた。

身長190センチ、体重95キロの恵まれた体格。カーブ、フォーク、チェンジアップを駆使し、メキメキと実力を伸ばしている好素材だ。

今春キャンプでは一軍にあたるA班入り。同期入団で同い年の宮城大弥や、横浜隼人高の先輩にあたる宗佑磨らと切磋琢磨できる環境で、まずは支配下登録をアピールしたい。

村上頌樹、大竹耕太郎、青柳晃洋らも二軍の最多勝から飛躍

二軍で最多勝を獲得し、その後一軍でも活躍した例は多い。昨年、彗星のように現れ、MVPと新人王に輝いた阪神・村上頌樹は2021年にウエスタン・リーグで最多勝、最優秀防御率、最高勝率の三冠、2022年にも最優秀防御率と最高勝率の二冠に輝き、きっちり地力をつけた上で2023年の大ブレイクにつなげた。

同じく昨年ブレイクした阪神・大竹耕太郎もソフトバンク時代の2020年にウエスタン・リーグで最多勝。同年、佐藤一磨のチームメイト、宮城大弥も大竹と並ぶ6勝を挙げて最多勝に輝き、翌2021年にブレイクした。

さらにさかのぼると、2021年から2年連続最多勝に輝いた阪神・青柳晃洋も、2018年にウエスタン・リーグでソフトバンク・大竹耕太郎と並ぶ8勝を挙げて最多勝。ソフトバンクの東浜巨は2014年にウエスタン最多勝を獲得し、2017年にはパ・リーグ最多勝に輝いた。二軍とはいえ、タイトルを獲った実績は決して伊達ではない。

推定年俸270万円からスターダムへ

先発もリリーフも充実の陣容を誇るオリックスだが、昨季16勝の山本由伸と11勝の山崎福也が抜け、先発ローテーションは再編成される。宮城大弥、山下舜平大、東晃平、田嶋大樹あたりは実績的に上位にいるが、それ以外は横一線と言っていい。

2022年ドラフト1位の曽谷龍平や日本ハムからトレードで加入した吉田輝星らが虎視眈々とその座を狙っている。佐藤はキャンプからアピールを続け、まずは支配下登録を勝ち取る必要がある。

2024年、育成契約の22歳にとっては勝負の1年になるだろう。推定年俸270万円の左腕がスターダムを駆け上がるか。



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