風俗で働いて奨学金を返済していた20代女性保育士に集まる同情「給料が安すぎるのが元凶」

夜の街で働く女性、写真はイメージ(写真:maruco/PIXTA)

《国家資格なのに副業しなきゃいけない給料なのがおかしいんだよ》
《奨学金を借りてまで保育士になったのにその収入だけでは生活ができないという事が問題なんです》

2月1日、性風俗店で副業していたために20代女性保育士が懲戒処分を受けたと毎日新聞が報じた。X(旧ツイッター)ではこんな同情の声が。

この保育士は栃木県宇都宮市の市立保育園に勤務。市に匿名の情報提供があり、本人に聞き取り調査をしたところ、市内や県外の風俗店での副業が発覚。稼いだお金は「奨学金の返済や生活費にあてた」と話したという。停職三カ月の懲戒処分をうけ、2月1日付で依願退職したと毎日新聞は報じている。

だが、X上では保育士の給料の安さに同情の声が集まっている。

《命を預かる仕事なのに給与が安すぎる》
《保育士の収入だと、この物価高で、普通に生活しながら奨学金返済は難しい》

厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、保育士の平均賃金は月26万6800円(企業規模10人以上、平均年齢38.8歳)。22~24歳は22万3600円、25~29歳は24万2800と、20代の保育士の平均的な手取り額は月20万円を下回る。

ここから奨学金を返済しながら家賃や生活費をねん出していくとなると、非常に厳しい生活を強いられることになる。

《政治家は裏金でウハウハで、庶民は必死でお金を稼ぐって、無茶苦茶》
《保育士の給料がしっかりあればこんなことにならないよ。これも政治の怠慢が招いた》

政治に対するこんな不満の声も。ちなみに、昨年12月には東京都内の税務署に勤務していた20代の女性職員3人が風俗店で働いたり、“パパ活”をしていたとして、懲戒処分を受け、依願退職しているが、こちらは稼いだお金をホストクラブの飲食代やブランド品の購入にあてていたため、同情の声はほとんどなかった。

保育士の給料の安さに一石を投じた今回の事例。保育士不足も社会問題になるなか、政府には早急な対策が求められる。

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