八戸港(青森県)新フェリーターミナル、3日利用開始 待合室広々、屋外通らず乗り降り

見晴らしが良く、広々とした2階の待合室
3日に供用開始される八戸港フェリーターミナルビル
1階ロビーで行われたオープニングセレモニー

 青森県フェリー埠頭(ふとう)公社が老朽化などのため建て替えを進めてきた八戸港フェリーターミナルビル(八戸市河原木)が3日に利用開始となる。広々とした見晴らしの良い待合室を備えるほか、屋外を通らずにフェリーの乗り降りが直接できるようになる。1日に同ビルでオープニングセレモニーが行われ、機能性と利便性が向上した新拠点の船出を関係者らが祝った。

 同ビルは3階建てで、延べ床面積は約3700平方メートル。1階ロビーの内装に南部ひし刺しと南部裂き織りをモチーフにしたデザインを取り入れたほか、2階には待合室、レストラン、売店を配置。2階の人道橋とボーディングブリッジを通ってフェリーに直接アクセスできる。3階には展望デッキを備えた。エレベーター設置など、バリアフリーにも配慮している。

 セレモニーでは同公社の松村亙代表理事が「公社として引き続き、利用者の利便性の向上と、安全性の確保に努めていく」とあいさつ。宮下宗一郎知事、熊谷雄一市長らとともにテープカットで祝った。出席者による内覧も行われた。

 同ビルには、八戸市と北海道苫小牧市を結ぶシルバーフェリーを運航する川崎近海汽船の八戸支社や、同公社の八戸支社などが入る。セレモニーに出席した川崎近海汽船の久下(くげ)豊社長は建物について「エントランスから待合室、人道橋へとスムーズな流れができているし、一つ一つのデザインも凝っている」と話し、フェリー客のさらなる増加に期待を寄せた。

 今後は隣接する旧ビルを解体し駐車場の整備などを行った上で、9月に全面利用開始となる予定。一連の総事業費は約20億円。

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