朝食・夕食にも出せる!忙しくてもささっと作れるお弁当の時短術

忙しい朝、子どものお弁当作りに悩んでいるママ・パパは少なくありません。今回は、お弁当作りの問題を解消し、朝食・夕食にも使える時短術を管理栄養士がご紹介します。寒い冬にぴったりの栄養たっぷり食材や、具体的な調理のポイントをお伝えしますので、実践してみてくださいね。

冬のお弁当でよくある悩み

ある企業がお弁当作りに関するアンケートをおこなったところ、お弁当を食べる際に残念に思うのは「冷たいこと」との結果に。お弁当は、調理した後ある程度時間がたってから食べることが多いもの。とくに、冬は外気温が低くなり、お弁当も冷たくなりやすいので、冷めてもおいしく食べられる食材や調理法を選べるといいでしょう。

そして、9割弱の人が「お弁当作りの時間を短縮したい」と回答したそうです。(※1)お弁当作りは1日だけやればいい家事ではありません。作るママ・パパの手間や作業時間を減らし、負担に感じずに長く続けられる工夫をしましょう。

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お弁当におすすめの冬の食材

冬のお弁当作りで活用したいのがほうれん草と根菜類です。冬に旬を迎えるこれらの野菜は味がいいのはもちろん、栄養価が高く、安価なのが特徴。具体的な栄養素とお弁当への取り入れ方を見てみましょう。

ほうれん草

冬のほうれん草は甘味が増し、彩りもよく、子どものお弁当にも重宝する野菜です。定番のおひたしやソテーはほうれん草だけでおいしい一品になります。また、卵焼きやオムレツに混ぜると冷めても柔らかさを保てるので、おいしく食べられるでしょう。

ほうれん草に含まれる栄養素で注目したいのはビタミンC。冬のほうれん草には夏に採れるほうれん草の3倍のビタミンCが含まれています。(※2)ビタミンCは病気からからだを守る免疫系の働きを助けるため、風邪予防の効果が期待できる栄養素です。(※3)

根菜類

れんこんやごぼう、にんじんなどの根菜類は血行をよくする効果があるビタミンEやたんぱく質の働きを助けるミネラルが豊富で、煮物や炒め煮などの調理法と好相性。煮物や炒め煮は冷めるときに食材に味がしみ込み、味わいが深まるので冬のお弁当でもおいしく食べられます。

また、小さめに切って油揚げなどと一緒に合わせて炊き込みごはんにすると、ごはんが硬くなるのを防げ、おにぎりにアレンジも可能です。ただ、炊き込みごはんは白米に比べて水分が多く傷みやすいので、必ず当日の朝炊くようにしましょう。

お弁当の時短術

お弁当作りをスムーズに進めるためには準備が重要です。時短のために押さえたいポイントを知って、朝のバタバタを解消しましょう。

下準備を前日のうちにしておく

前日の夜に下準備をしておくことで、朝は効率的にお弁当作りができます。お米を夜に研いで炊飯器のタイマーをセットしておくのもひとつの方法です。常温に置いておくのが心配な場合は、研いだお米をお釜ごと冷蔵庫で保存して、朝は炊くだけにしておくといいでしょう。一晩浸水させたお米は早炊きモードでおいしく食べられるので、朝起きてからスイッチを入れても余裕が持てるはずです。

また、夕食作りと一緒におかずの下準備を終わらせておくのもおすすめです。肉や魚に下味を付けておいたり、野菜類を切っておいたりできると、朝は加熱するだけですみます。まな板と包丁の洗い物が出ないだけでも、負担が軽くなりますよ。

メニューを前もって決める

お弁当のメニューを週ごとに計画することで、悩む時間を短縮できます。たとえば、1週間分のメニューを考えておけば、おかずや味付けが重なることをさけられますし、メニューが決まっていれば事前に盛り付けのイメージもできるので時短になります。

お弁当は毎日違う献立でなくても大丈夫。とくに、好きな料理は何度登場してもうれしいものです。数週間分の献立がストックできたら、ローテーションができるのでさらに負担が軽くなります。

1つの調理器具で複数のおかずを調理する

2〜3品まとめて調理することで手間を省け、洗い物も減らせます。仕切りのあるフライパンの活用や、いくつかのおかずをまとめてレンジ調理、炊飯器調理する方法もおすすめです。お弁当作りは好みや栄養バランス、見た目や予算などさまざまな要素がありますが、ママ・パパが作り続けられるか、という点も大切にしましょう。

朝食・夕食にも出せるメニュー

お弁当のおかずは朝食や夕食にも利用できます。1度に多めに作れば、手間と時間をカットできますよ。

多めに作れて、時間がたつほどおいしくなる煮物。定番のひじきや切り干し大根にくわえて、カボチャの甘煮や小松菜と油揚げの煮びたしなどは彩りもよくお弁当に重宝します。保存容器に入れ冷蔵庫で保存すれば4~5日はおいしく食べられるので、朝食や夕食の副菜としても便利です。お弁当には十分に汁気を切ってから入れるようにしましょう。

唐揚げや味噌漬け焼きなど、肉や魚をあらかじめ下味を付けてから調理する場合も、多めに仕込んでおけば朝食や夕食のおかずに活用できます。下味を付けた肉や魚は1度に使う量ずつ、冷凍用保存袋にわけ、冷凍保存すると3週間くらいはおいしく食べられます。朝食と夕食のおかずがお弁当と同じなのはちょっと……という場合は、冷凍保存して別の日に食べるのもいいでしょう。

少しの工夫でお弁当作りはラクになります

朝食や夕食にも使えるお弁当のアイディアを取り入れて、手軽に食事を楽しんでみてください。旬の食材を使うと手間をかけなくてもおいしい一品になります。食事の準備がラクになれば、ママ・パパの心とからだにも余裕が生まれ、家族の笑顔も増えることでしょう。

<参考文献>
※1 サーモス株式会社『サーモス 「お弁当づくり」に関するアンケート調査実施 冬のお弁当の悩み 第 1 位は「冷たいこと」スープジャーなら温かいお弁当が手軽に!簡単・手間短で、様々なお弁当の悩みも解決!!』※2 E-ヘルスネット「旬を取り入れた食生活(秋・冬)」※3 厚生労働省「e-JIM」ビタミンC」

PROFILE

あんしん漢方 管理栄養士
小原水月(おはらみづき)

管理栄養士・健康食育シニアマスター。社員食堂で300以上の料理を修得、ダイエット合宿所・特定保健検診の業務に携わり600人以上の食事と生活習慣改善を個別サポート。

自身の出産後の体調不良から食事と漢方で体調改善/増進の経験を生かし、栄養学と漢方を合わせたサポートを得意とする。「心も体も食べたものだけで作られる」をモットーに簡単で時間もお金もかけずに元気になれるレシピを発信中。

症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行っている。

●あんしん漢方(オンラインAI漢方):https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=211332f2tmhy00010060

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