これってもしかして痔!?痔の種類や対策を薬剤師が解説!

「排便時に、血が出ることが多い」
「なんとなく、お尻がかゆい……」

このような症状が続く場合、もしかしたら痔になっているかもしれません。
痔になる原因や痔の種類、そして、痔の対策を薬剤師が解説します。

1. 痔になる原因や痔の種類とは?

痔になる原因や、痔の種類を確認しましょう。

1-1. 痔になる原因

便秘がちで排便の際にいきんだり、長時間座りっぱなしで肛門に負担がかかったりすることで、痔になるといわれています。

便秘がちな方は排便時にいきむことで肛門がうっ血を起こしやすくなります。
さらに、硬くなった便が肛門を傷つけ、きれ痔を引き起こすこともあるのです。

また、長時間肛門に負担をかけると血行障害が起き、その部分がいぼ痔になることもあります。

ただし、このように肛門に負担がかかるのは、排便時や長時間座っていることだけが原因ではありません。
テニスやゴルフといったスポーツでお尻に力を入れること、アルコールの過剰摂取による下痢、冷えなども肛門に負担をかける要因になるといわれています。

1-2. 痔の種類

痔は、大きく分けて「いぼ痔」「きれ痔」「痔瘻(じろう)」の3種類に分けられます。
それぞれの特徴をみていきましょう。

・いぼ痔
いきみや便秘など、肛門への過度の負担によりできる痔です。

「内痔核(ないじかく)」は肛門の奥の直腸側に腫れができた状態で、軽い場合は排便時の出血のみで痛みはありません。ただし、症状が進むといぼが肛門の外にまで出て(脱肛)、痛みを生じます。
「外痔核(がいじかく)」は肛門の外側にいぼのような腫れができます。出血は少ないですが、強い痛みを伴うでしょう。

・きれ痔
硬い便を排出するときに、肛門の外壁を傷つけることでできる痔です。
出血を伴い、排便時や排便後も痛みを感じることが多いでしょう。

・痔瘻
肛門腺に細菌が入り、炎症化膿して体内に膿がたまりできる痔です。
膿が出て症状が治まった後も、化膿を繰り返すことがあります。
肛門に鈍い痛みや異物感があり、排便時にも痛みを感じることがあるでしょう。発熱を伴うことも少なくありません。

治療には手術が必要となります。

2. 痔を悪化させる3つの要因とは?

痔を悪化させる主な3つの要因を解説します。

2-1. 寒さ

寒さは血行不良を起こしやすく、痔を悪化させる要因になります。
さらに、運動不足や水分不足によって便秘になりやすく、便が硬くなる方も多いでしょう。
軽い運動や入浴によって血行をよくし、便秘を防ぐことが大切です。

2-2. 食生活

食生活の偏りによって便秘や下痢を引き起こすことも、痔を悪化させる原因のひとつです。
便秘がちな方は、食物繊維を多く含んだ食材を摂りましょう。

野菜や海藻類、乳酸菌やビフィズス菌を含む食事がおすすめです。下痢を起こしやすい方は、刺激物やアルコールを控えましょう。

また、朝食の後は便意が起きやすいため、朝食をしっかり摂ることも大切です。

2-3. 姿勢

座りっぱなしや立ちっぱなしのように、同じ姿勢が続くことで痔を悪化させます。
たまに姿勢を変えて、肛門に負担がかからないようにしましょう。

また、軽い運動やストレッチは腸の働きをよくし、血行不良を改善する効果が期待できますよ。

3. 痔に悩む方には漢方薬もおすすめ!

痔を治すためには、便秘や下痢をしやすいといった体質の改善も重要です。
そこで、漢方薬によって排便をサポートし、からだの内側から改善を目指すといいでしょう。

痔の対策には、「血行をよくして、肛門の機能を回復し、痔の原因となるうっ血をとる」「胃腸の機能を回復して便秘や下痢を改善する」「たまった老廃物を便としてスムーズに排泄する」といった観点で漢方薬を選び、根本改善を目指しましょう。

<痔に悩む方におすすめの漢方薬>

・乙字湯(おつじとう):血流をよくしてうっ血をとり、腫れや炎症を抑えます。便が硬く慢性的な便秘に悩まされている方におすすめです。(※1)
麻子仁丸(ましにんがん):腸を潤し、便をやわらかくすることで痔核、便秘を解消します。便秘、のぼせ、ふきでもの、おなかのハリなどの症状がある方におすすめです。(※2)

痔はすぐに治る病気ではないため、排便をスムーズに行えるようにケアしていきましょう。
ただし、自分の便の状態や痔の種類に合わせて漢方薬を選ぶのは難しいですよね。

そのような場合には、薬剤師がAIを用いて最適な漢方薬を提案する「あんしん漢方」のサービスがおすすめです。
スマホだけでサービスを利用できるため「痔の悩みを相談するなんて恥ずかしい」という方も、安心して使えますよ。

あんしん漢方

4. 痔はからだの内側から治そう!

痔になると周りの人に相談するのが恥ずかしく、対処が遅れてしまう方も少なくありません。
ただし、早期に適切なケアをすれば痔を治すことができます。
食生活や姿勢を整えながら、痔のケアをしてくださいね。

参考URL

(※1)くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ乙字湯エキス顆粒(医療用)」

(※2)くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ麻子仁丸エキス顆粒(医療用)」

<この記事を書いた人>

あんしん漢方薬剤師
山形 ゆかり

薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ入り、牛角・吉野家他薬膳レストラン等15社以上のメニュー開発にも携わる。

「健康は食から」をモットーに健康・美容情報を発信するMedical Health -メディヘルス-Youtubeチャンネルで簡単薬膳レシピ動画を公開するなど精力的に活動している。

症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。

  • あんしん漢方(オンラインAI漢方):

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