猪野広樹,杉江大志,畠中 洋出演 ミュージカル『狂炎ソナタ』開幕 狂気と芸術の狂宴。

韓国で完売が続く、美しいメロディに乗せながら 人間の業を描いた衝撃作、待望の日本初演。
ミュージカル『狂炎ソナタ』は韓国にて2016年の公演芸術創作産室優秀作 選定とトライアウト公演完売を経て、2017年初演から大学路の熱狂的なファンたちの支持を得、再演・完売を続けている作品。日本でも韓国人キャストで上演されたことも。 小説家キム・ドンインの同名小説をモチーフにした『狂炎ソナタ』は、死を通じて 音楽的インスピレーションを得た天才作曲家がまた別のインスピレーションを得るために殺人を重ねてしまったということをベースに、音楽の真理を追う3人の音楽家たちの葛藤と、素晴らしいクラシック旋律で捉えたスリラーミュージカル。

メロディアスな音楽とともに始まる。不穏なセリフ「なぜ、あんなことをしたんですか…まさか知らないとは言わせませんよ」
「グロリア・アルティス」賞を受賞し、華やかなデビューを飾った作曲家J(猪野広樹)。だが、その後はスランプに。クラシック界で著名な教授K(畠中 洋)のところにいく。曲が書けないJ、酒が飲めないにもかかわらず、酒を煽って車を運転、交通事故を起こす。誰にも見つかってない事故…。夢中で曲を書くJ、事故を目撃、そのショックと衝動と狂気と、書いている最中のことは覚えていないJ。だが、この曲を教授Kに褒められる。

「カタルシスを感じる」とK。なぜ、Jは曲が書けたのか、その衝撃の事実を知るK、それを諫めるどころか、曲のために殺人を唆す。”血に染まった”楽譜、狂気が狂気を生み、芸術を生み出す。クラシカルなメロディー、その曲とは裏腹な、狂った”世界”、その中に身を投じていくJ。そこで親友のS(杉江大志)。彼もまた、作曲家だが、天性の才能に恵まれ、軽やかに鮮やかに曲を生み出し、またひたすら優しい。

JはSにある告白をする、普通なら怒るような”告白”なのだが、SはJに「どうでもいい」と許す。「いい曲だ」と言って連弾、2人がピアノを弾くシーンは秀逸で美しい。だが、曲を書くためにJはSに…というのがだいたいの流れ。
Jは賞を取ってからは不安に駆られ、また曲が作れない苦しみに喘いでいる。だが、殺人という想定外の出来事でそれを”突破”。殺人、創造、狂気と絶望、だがラスト近くの表情はほのかな笑顔を見せる。その複雑なJ、さらに難易度の高い楽曲を猪野広樹がドラマチックに。

教授Kの畠中洋、ミュージカルでは大ベテラン、自分自身の成功のためにJを唆す、そんなことはなんともない人物、ちょっとサリエリのような立ち位置に、薄ら笑いが不気味さを醸し出す。ブラックな人物だが、単なる悪い人ではなく深みのある陰影のある人物像に見せるところは流石。また、真の芸術を生み出すためにはJにとって”殺人””血”は必要なものと見抜く。さまざまな理由が彼にはあるのかもしれない。

そして親友S、天才作曲家だが、謙虚。Jの告白にも自分自身の信念を揺るがせず、それどころかJを褒めるS。そんな人の良さを杉江大志が持ち前の”陽”な雰囲気で。舞台上はミュージシャンと俳優3人のみでノンストップの90分。音楽とは芸術とは、その真理はどこにあるのか、優れた芸術、音楽、絵画は時には何百年も”生き”続ける。作品の持つテーマ性、深く、そして人によって解釈はまちまちかもしれない。求道者が陥る狂気、その末路はあっけなく、物悲しい。そして観客は『狂炎ソナタ』のタイトルの意味を知る。

物語
「グロリア・アルティス」賞を受賞し、19歳で天才という称賛を受けて華やかにデビューした作曲家J。 しかし、彼はデビュー作以来ただ一曲も書き出せず、不安に苦しみ辛い日々を送っている。 Jは、クラシック界の著名な教授Kを訪ね、再び作曲を始めるが、冷たい評価と重圧に苦しみ、泥酔し交通事故を起こしてしまう。 事故とともに目の前で鮮やかな「死」を目撃し、その血の匂いとともに、その夜Jは狂気に包まれながら、第 1楽章を完成させる。
一晩の間に完成した素晴らしい音楽の誕生。 その理由が「死」であることを知ったKは、曲の完成のためにJに殺人をそそのかし、Jは作曲のためにさらな る殺人を試みることになる…。
「死」を通じて素晴らしい曲を書き上げていくJ。 さらなる作曲のために、Jは自分の親友であるSにまで殺人の手を伸ばそうとするが…。
ついに完成した第5楽章にまとわりつくのは、いったい誰の「死」の匂いか…。

概要
Musical SONATA OF A FLAME
Book by JEONG MINA, Damiro
Music by Damiro
Lyrics by JEONG MINA, Damiro
Original Production by YU IN SOO, Damiro
タイトル:ミュージカル『狂炎ソナタ』
日程・会場:2024年2月2日(金)~2月11日(日) 全11回 品川プリンスホテル ステラボール
演出・上演台本:渡邉さつき
音楽スーパーバイザー・歌唱指導:山野靖博
音楽監督:大部胡知
出演:
猪野広樹・杉江大志/畠中 洋
ピアノ:大部胡知/阿久津 麗 ヴァイオリン:但馬有紀美 チェロ:成田七海
主催:ミュージカル『狂炎ソナタ』製作委員会

公式HP:http://mu-sonata-2024.com
公式X: @mu_SONATA_2024

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