ハワイアン航空、日本路線は長期的には強気 アウトバウンド回復遅れや宿泊料金高騰が影響

ハワイアン航空のピーター・イングラム社長は、日本路線の輸送量は想定より緩やかに改善傾向にあると、決算後の電話会議でコメントした。

発着枠の使用要件復活に伴い、日本路線の座席利用率は8月をピークに低下傾向にあるという。座席利用率は山火事が発生したマウイ島を除く路線は堅調で、ソウル/仁川〜ホノルル線は好調だとしている。離島路線でもサウスウエスト航空よりも選ばれる傾向にあるという。日本のPOS予約は、2019年の50%程度だった。

日本市場について、ブレント・オーバービーク レベニュー・マネジメント&ネットワーク・プランニング担当副社長は、「円安や宿泊価格の高騰を考慮すると、短期的には緩やかな需要回復を予想している」とした上で、長期的には強気の姿勢としたものの、季節性を考慮して夏スケジュールでは週18〜21便に抑える。オーバービーク副社長は、「日本の完全回復にはまだ自信を持っており、回復が進むにつれて、市場の需要に対応するために機材を投入していく」と述べた。

イングラム社長も、「需給バランスが少し崩れており、日本人がハワイに強い親近感を抱いているにもかかわらず、すぐに回復するとは思えない」とコメントした。東京/羽田〜ホノルル・コナ線の深夜早朝発着枠の返上については、「日本路線を後押ししているのは、アメリカやその他の海外からの強い需要。コナ便はアメリカの主要都市からの乗り継ぎ便がない」と説明した上で、円安によるホテル価格の上昇はコナで顕著で、「日本円でハワイ島のホテルに宿泊する場合、4、5年前と比べて120%以上高くなっている」と話した。他の日本路線は現時点では維持する計画で、約4.5機相当を割り振るという。

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