ロバート・グリーンオール、BBCニュース
ウクライナ軍は1日、ロシア占領下のクリミア半島の海湾で特別作戦を実施し、ロシア黒海艦隊のミサイル艇を破壊したと発表した。
ウクライナ軍情報当局によると、ロシアの小型軍艦「イワノヴェツ」は夜間の攻撃で「船体に直撃」を受け、沈没したという。
同当局は、直撃と大爆発の瞬間だとする映像を公開した。映っている船のマストや大型レーダーなどは、ロシアが保有するミサイル艇の特徴と一致している。
ロシア当局はこの件についてコメントしていない。
ロシアの軍事ブロガーは通信アプリのテレグラムに、船はドローン(無人機)による攻撃を3回受けて沈んだと書いた。
ウクライナ国防省情報総局は、特殊部隊「グループ13」の兵士らが、海軍基地のあるクリミア半島西側の海湾、ドヌズラフ湖で船を破壊したとテレグラムで発表。
「ロシア船(イワノヴェツ)は船体を繰り返し直撃され、損傷して動けなくなった。船尾に傾き沈没した」と説明した。
また、ロシアの捜索救助活動は失敗に終わったと主張。同船は6000万~7000万ドル(約88億~102億円)の価値があるとした。
ウクライナ外務省のオレクサンドル・シェルバ氏は、「午前3時45分に最初の攻撃があり、午前4時には乗組員全員が避難した。この船が助かる可能性はまったくなかった」とBBCに説明。「見事な」攻撃だったとした。
ウクライナはロシアとの戦争で、黒海とその周辺において一連の成功を収めてきた。艦隊は有していないものの、ロシアの軍艦を損傷・破壊してきた。
ロシアによるウクライナ侵攻の開始2カ月後の2022年4月には、ロシア黒海艦隊の旗艦「モスクワ」を損傷させ、最終的には撃沈させた。ウクライナはミサイルで攻撃したとみられている。
昨年9月には、クリミア・セヴァストポリのロシア黒海艦隊の司令部をミサイル攻撃した。その後の衛星画像は、ロシア海軍が黒海艦隊の多くをクリミアからロシアの黒海港ノヴォロシースク港に移動させたことを示していた。
昨年12月には、クリミアのフェオドシヤ港で大型揚陸艦「ノヴォチェルカッスク」を破壊したと発表した。ロシアも同艦の損傷を認めた。
追加取材:アダム・ロビンソン、BBCヴェリファイ(検証チーム)