【コレ合法?】「手取り額」が少ないと思ったら、借金している金融機関が会社に賃金の「差し押さえ」をしていた…!

賃金が差し押さえられるケースとは?

賃金が差し押さえられるのは、借金返済や税金を滞納したときなどです。

滞納が続くと裁判所は債務者の財産を強制的にお金に換え、債権者に債権を回収させなければなりません。このとき、差し押さえできる財産には不動産や動産のほかに、勤務先に対する給料債権なども含まれます。

借金返済や税金を滞納したとき、まずは郵便や電話などで督促がきて一括請求を求められます。それでも返済に応じない場合は訴訟などの法的手続きにより、賃金の差し押さえが行われるという流れが一般的です。

民事執行法第百五十五条に「金銭債権を差し押さえた債権者は、債務者に対して差押命令が送達された日から一週間を経過したときは、その債権を取り立てることができる(一部抜粋)」とあります。

賃金が差し押さえられるときのルールは?

民事執行法第百四十四条によると、賃金が差し押さえられた場合、債務者に賃金を支払う立場である勤務先の会社は「第三債務者」と呼ばれるようになります。

第三債務者となる会社は差し押さえ債権者に賃金の一部を支払わなければなりませんが、民事執行法第百五十二条で「賃金の4分の3は差し押さえできない」とされています。つまり「差し押さえが可能なのは賃金の4分の1まで」というルールがあるため、注意が必要です。

例えば、賃金が20万円の方が30万円差し押さえられる場合、月に5万円ずつ差し押さえられることになるため、6ヶ月間差し押さえが続くことになります。

賃金の差し押さえは借金を完済するまで続くため、借金の金額が大きい場合は賃金が減った状態が何ヶ月も続くことになるでしょう。また、ボーナスや退職金などについても、労働の対価として会社から支払われるものなので、差し押さえの対象になります。

借金による賃金の差し押さえは合法

借金の返済や税金などを滞納している場合、債権者である金融機関は債務者が勤務する会社に対して賃金を差し押さえることが可能です。ただし、差し押さえできる賃金の金額には上限があり、4分の1を超えて差し押さえることはできないとされています。

勤務先は差し押さえを受けた分を債権者に支払い、残りの4分の3の賃金を債務者である労働者に支払うという仕組みです。賃金の差し押さえは借金を完済するまで続くため、差し押さえが原因で生活が苦しくなるようであれば、弁護士などに相談してみるといいでしょう。

出典

[デジタル庁 e-Gov法令検索 民事執行法
(差押債権者の金銭債権の取立て)第百五十五条
(執行裁判所)第百四十四条
(差押禁止債権)第百五十二条](https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=354AC000000000420230614505AC0000000053)

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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