カナダ予算案、歳出大幅増ならインフレ抑制阻害も=中銀総裁

Steve Scherer Promit Mukherjee

[オタワ 1日 ロイター] - カナダ銀行(中央銀行)のマックレム総裁は1日、トルドー政権が数カ月内に発表する次期予算案について、インフレ抑制に向けた中銀の取り組みを妨げないよう大幅な歳出拡大を避けるべきとの見方を示した。

3月か4月に発表予定の予算案について下院財政委員会で問われ、「大規模な歳出拡大があれば、われわれが示したタイムラインでインフレを目標に低下させる取り組みの妨げになる可能性がある」と述べた。

連邦、州、地方自治体レベルの歳出は全体として年2.25%ほど増加しているとし、インフレ抑制の助けになっていないと指摘。連邦政府の歳出によって需要が刺激されれば特に問題だと述べた。

カナダ中銀はインフレを抑えるため政策金利を22年ぶり高水準の5%に据え置いている。昨年12月のインフレ率は3.4%と中銀の目標(2%)を大きく上回った。

マックレム氏は中銀の焦点が利下げ開始時期に移っているとしつつも、突然の供給網目詰まりなど予想外の事態が起きた場合、再び利上げする可能性はまだあると述べた。

その上で、利下げを検討する前に、物価上昇圧力の緩和や基調的インフレ率の明確な低下を確認したいとした。

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