今田美桜、朝ドラ『あんぱん』のヒロインに 3365人のオーディションを経て抜擢

2025年度前期放送のNHK連続テレビ小説『あんぱん』のヒロインを、3365人のオーディションを経て今田美桜が務めることが決定した。

朝ドラ第112作目となる本作は、『アンパンマン』を生み出したやなせたかしと小松暢の夫婦をモデルとした勇気の物語。

あらゆる職業を転々としながら定まらない人生を送っていた、遅咲きの漫画家・やなせたかしが70歳にして生きる喜びを書いたアンパンマンのマーチの歌詞を生み出した背景には、戦前・戦中・戦後と激動の時代を、ちょっと気が弱くて自信のないたかしと共に生き、けん引し続けた「ハチキンおのぶ」の存在があった。

生きる意味も失っていた苦悩の日々と、それでも夢を忘れなかった二人の人生。何者でもなかった2人があらゆる荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した『アンパンマン』にたどり着くまでを描く。

実在の人物である2人をモデルとするが、 登場人物名や団体名などは一部改称して、フィクションとして描かれる。

今田が演じるのは、実在の人物である小松暢をモデルとした朝田のぶ。高知で祖父母・両親の愛情をたっぷり受けて育つ。三姉妹の長女。県大会で優勝するほど足が速く、行動力とスピード感にあふれ、人生の荒波をパワフルに乗り越えていくヒロインで、持ち前の男勝りで勝気な性格から「ハチキンおのぶ」「韋駄天おのぶ」とも呼ばれる。ちょっと気が弱くて自信のない柳井嵩(やない・たかし)と出会って激動の時代を共に生き、どんな時も励まし、けん引し続ける。

脚本は、NHK連続テレビ小説『花子とアン』、NHK大河ドラマ『西郷どん』などを手がけた中園ミホが担当する。

コメント
◯中園ミホ(脚本)
ヒロインオーディションは実にすばらしい女優さんたちの競合となり、その中からたった一人を選ばなければならない私たちにとっても真剣勝負でした。
今田美桜さんの最終オーディションに立ち会ったスタッフの何人かは涙を流していました。強く、あたたかく、瑞々しい演技に私も心をつかまれました。やなせたかしさんが生涯のパートナーとして選んだ暢さんは、きっとこういう女性だったに違いないと思わせてくれたのです。
暢さんは『アンパンマン』に登場するドキンちゃんのモデルと言われています。そう言えば、好奇心に輝く大きな目のドキンちゃんは、美桜さんにそっくりです。

◯倉崎憲(制作統括)
まずは今回ヒロインオーディションに応募して下さった3365人の皆様に感謝申し上げます。
書類選考では一人一人の言葉の数々に、ビデオ選考ではとあるたった一言に、グループ選考や最終カメラテストでは想いがのった芝居に、心が震えて思わず涙が出てくることもありました。
3365人の、3365通りのそれぞれの想いをぶつけていただき、我々もとにかく全身全霊でオーディションに向き合わせていただきました。
そんななか、最も心がぐらんぐらんに揺さぶられたのが、今田美桜さんでした。
セリフ一つ一つへの的確な解釈、毎朝観たいと思わせてくれる凛とした佇まいと、周りを元気にさせる笑顔。嵩をぐいぐいと引っ張っていくヒロイン・朝田のぶを演じている今田さんが想像でき、撮影だけで約一年に及ぶ長期戦を一緒に走り続けたいと心から思えました。ご本人には直接ヒロイン決定をお伝えさせていただいたのですが、その時の今田さんの表情は一生忘れません。
そして、やなせたかしさんをモデルにした柳井嵩役の発表、『あんぱん』の放送も今から楽しみにお待ちいただければ幸いです。

(文=リアルサウンド編集部)

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