ご当地インスタントラーメン食べ比べ! 第9回は激辛王決定戦(その2)

日本各地のご当地インスタントラーメンを取り寄せ、旅行気分を楽しもうとスタートしたこの企画。今回は前回に引き続き、特別編としてご当地ラーメン激辛王決定戦を開催。日本一の旨辛ラーメンを求め、熱い戦いの第2章が始まる。

どのパッケージにも激辛の文字が記され、なかなか辛そうだ

第2戦は最北端VS最西端

北海道から3品、秋田県、東京都、長崎県からそれぞれ1品をセレクトし、競い合わせる激辛王決定戦。第2戦は、今回選ばれしエリアの最北端・北海道は旭川VS最西端・長崎県の対決。さて勝ち残るのはどちらのご当地ラーメンなのか。

エンフード「旭川三平みそ5辛」(写真左)、たなか物産「長崎中華 激辛汁なし坦々麺」(2食入り)

北の大地の実力者が激辛の牙をむく

最初にいただいのは「旭川三平みそ5辛」。実店舗が創業50年以来、激辛みそで有名なことに加え、中でも辛さマックスの「命知らず」であることから、相当なレベルの高さが予想できる。作り方は、茹で上がった麺をザルで湯切りし、事前に器に用意したスープに投入するタイプ。見た目は赤茶色でいかにも辛そうだが、さて、どんな味なのか。

唐辛子のスパイシーさが香る旭川の有名店による一杯

まずスープからズズイといただくと、一瞬で、とまではいかないが、かなりのスピードで辛みが押し寄せる。強烈な辛みながらもみそ味がこってり濃厚で旨味もたっぷりだ。お次は若干縮れた麺をズルっとすすってみると、「ウホー!」、辛さ倍増。麺に辛み成分が練り込まれているわけではないので、遅ればせながらやってくるじんわり辛みと、口に入れた瞬間の辛みが共鳴し、増幅していくのだろう。どんどん食すと口はジンジン、汗もダラダラ、胃までホカホカしてくる。いやこれ、激辛ファンがたまらない高レベル。

赤茶色のスープには、唐辛子がちらほらと浮いている
麺は少し縮れた中細麺。激辛スープがよくからむ

総評

ひと口目の刺激度 ★★★★☆

じんわりくる辛さ ★★★★★

スパイスの複雑さ ★★★☆☆

旨みとのバランス ★★★★★

合計 17点

いきなり出ました、おそらく優勝クラスの高得点!しっかり辛いのに濃厚みそとの相性が素晴らしく、スープのラストひと口まで旨味が感じられた。スパイスは唐辛子系の比較的シンプルながらパンチ力が強く、また後から押し寄せるじんわりとした辛みも相当な強者で星五つ。これ、いい意味でヤバイ一杯。

中華の食文化が日本の激辛を上回るか!?

対するは今回選んだ6商品の中で唯一スープのない「激辛汁なし坦々麺」。麺のみ、というのがどのように影響するのか楽しみだ。麺を茹で終えたらお湯をしっかり切って器に盛り、液体調味料をかけて混ぜ合わせると完成。弁当の端に添えられているナポリタンくらいのオレンジ色で、見た目はそれほど辛くなさそうだ。

汁がない分、具材を入れないと少々寂しいビジュアルだ

早速、ズルリと麺をひと口いただく。「こ、こいつは、いきなり激辛!」。口の中が燃え盛る。このスピード感は汁なしならではかもしれない。さらにズルズルと食べ進めると、「オホホー!」、花椒の痺れが後からやってきて、口の中がビョ~ンビョ~ンと脈を打ち始める。唐辛子の辛さと花椒の痺れが相まって、これぞ麻辣の超刺激。坦々麺特有の胡麻や、みその甘味もかなり強いが、唇はビリビリに痺れて、涙まで出てくる。先ほどの旭川三平みそ5辛も辛かったが、これは同レベルの高対決だ。

もちろん麺の下にも汁は入っていない
しっかり持たないとハシからするする滑るくらいのストレート麺

総評

ひと口目の刺激度 ★★★★★

じんわりくる辛さ ★★★★★

スパイスの複雑さ ★★★★★

旨みとのバランス ★★★☆☆

合計 18点

旭川三平みそを抜いて、今大会の最高得点をマーク。豚骨や魚介などの旨みを凝縮するスープがないせいか、旨みとのバランスは星三つにとどまったが、ほかの項目が全て満点の星五つ。特に、ほかのラーメンではなかなか難しい、スパイスの複雑さが満点というのがポイントだ。さすが中華、恐るべし麻辣文化である。

あくまで辛さに特化したものなので悪しからず

さて、生まれたての優勝候補が一瞬で抜かれてしまった怒涛の第2戦。事実上の決勝戦となりそうな好対決だった。前回も記したが、これはあくまで筆者の独断による対決の上、おいさではなく、辛さに特化したものなので悪しからず。次回、第3戦をお楽しみに。(エフェクト・山葉のぶゆき)

© 株式会社BCN