神戸のように街をよみがえらせる 能登半島地震で被害受けた輪島市男性の思い

1月31日と2月1日、サンテレビは石川県珠洲市と輪島市で取材をしてきました。
能登半島地震から1カ月が経ちましたが、被害は甚大で、被災地の復旧・復興には相当な時間が必要です。

(藤岡キャスター)
「鵜飼地区では、津波が川を遡上して船が川に乗り上げているのが分かります。また反対側、車が押し流されています」

石川県内では、これまでに240人が亡くなり、約5万棟の家屋が被災しました。

(藤岡キャスター)
「輪島市河井地区です。地震によって至る所で建物が崩れています。あちらのビルは道路にまで傾いています」

1日、輪島市の中心街から東に20キロほど離れた輪島市町野地区に住むある男性を訪ねました。

自宅が全壊した柴田剛さん(67)。

柴田さんは地震のあった日、福井県にいて無事でしたが、自宅がある地域は土砂崩れなどで一時孤立しました。

柴田さんは、1月17日、神戸市の東遊園地で行われた阪神淡路大震災の追悼行事に輪島市から駆け付けました。

(柴田さん)
「感謝の気持ちを伝えることと、29年も追悼行事が続いているのはなぜなのか興味があって神戸に来た。私たちがそれをこれから始めなくちゃいけないから、絶対に風化させては駄目なんです」

柴田さんは現在一人暮らし。

2週間ほど避難所で生活していましたが、1月25日に電気が復旧したことをきっかけに、全壊した自宅に戻ることを決断しました。

もともとこの地域は過疎化が進み、若い人たちが離れていく中、地震が追い打ちをかけました。

今回の被害を乗り越え神戸のように復興を果たし、生まれ育った街をよみがえらせたい。

柴田さんは新たに動き出そうとしています。

(柴田さん)
「若い雇用を生みたい。新たな事業を立ち上げる。それに向けて動いている。1人2人の雇用じゃ意味ないかもしれないが負けない」

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