ウォリアーズのカーHCがポール、ペイトン二世の放出の噂を否定「トレードで(彼らより)優れた選手を探すことはない」<DUNKSHOOT>

今季44試合を終えた時点で、ゴールデンステイト・ウォリアーズはウエスタン・カンファレンス12位の20勝24敗(勝率45.5%)。過去2シーズンはリーグトップ3の戦績を誇ったホームでも13勝13敗(勝率50.0%)と、元王者が苦しんでいる。

チームはステフィン・カリー、クレイ・トンプソン、ドレイモンド・グリーンの3本柱を筆頭に、アンドリュー・ウィギンズ、ケボン・ルーニー、ゲイリー・ペイトン二世、ジョナサン・クミンガ、モーゼス・ムーディーといった一昨季の優勝メンバーを擁する。さらにオフには、キャリア19年目のクリス・ポールや7年目のダリオ・シャリッチなどベテラン陣を補強しながら、3点差以内で決着した試合で2勝9敗と大きく負け越している点も気になる。

各チームは今季の最終着地点を定めていくにあたり、2月8日(日本時間9日、日付は以下同)のトレード・デッドライン、その後のバイアウト・マーケットで戦力を増強する機会があるが、下位にいるウォリアーズが動くのではと多くのメディアが予想している。
1月29日には『The Athletic』のシャムズ・シャラニア記者が『FANDUEL TV』の番組『Run It Back』で、ウォリアーズは大黒柱のカリーは当然として、若手のクミンガ、ブランディン・ポジェムスキーは残す可能性が高いとし、ポールとウィギンズ、トンプソンがトレード対象になると発言。

一方で31日には『The Athletic』でウォリアーズの番記者を務めるアンソニー・スレイターが、デッドラインまでにチームが大きく動くことはないだろうと報道。ウイングとセンターのアップグレードを目論むウォリアーズにとって、魅力的な候補にラウリー・マルッカネン(ユタ・ジャズ)が挙がるものの、今季を諦めていないジャズがライバルチームへトップスコアラーを放出するとは思えず、獲得のチャンスは低いだろう。

米スポーツ専門局『ESPN』は2月1日、カリー、トンプソン、グリーンのコアを解体するとは考えにくいとしつつも、来季契約が無保証のポール、2025-26シーズンまで契約下にあるウィギンズのトレードについてはオープンだと報じていた。

デッドラインまで約1週間、この時期NBAでは各チームが水面下で交渉を進めており、期限当日にビッグトレードが決まるケースも珍しくない。 そうしたなか、31日にスティーブ・カーHC(ヘッドコーチ)が地元メディア『95.7 The Game』の番組『Willard & Dibs』へ出演。トレード候補に挙がるポール、ペイトン二世の放出を否定するコメントを残した。

「我々はトレードで(ポールとペイトン二世よりも)優れた選手を探すことはないだろう。あのレベルのタレントをアップグレードするトレードを成立させることは極めて稀なんだ」

左手を骨折しているポールは順調な回復を見せており、球宴前の復帰も視野に入れている。左ハムストリングを負傷したペイトン二世も、近日中に再診断を受ける予定。1月上旬から欠場しているムーディーは30日に練習復帰の許可が下りたことから、ウォリアーズは2月中旬にもフルメンバーが揃う可能性が出てきた。
ウォリアーズが掲げる今季のゴールは依然としてリーグ制覇。この目標が変わらない限り、チームがシーズン途中にロスターを大刷新して再構築を選択するとは考えにくい。

ただ、プレーイン・トーナメント出場のボーダーライン上にいる10位のジャズ(24勝26敗/勝率48.0%)とは1.0ゲーム差だが、プレーオフ自動進出ラインの6位フェニックス・サンズ(28勝20敗/同58.3%)とは6.0ゲーム差があるため、現状維持では当然追いつかない。明日2日から始まるアウェー5連戦でどれだけ勝つことができるかが、今後の方向性を左右するかもしれない。

文●秋山裕之(フリーライター)

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