黎智英氏『りんご日報』編集を独占

外国勢力との共謀罪に問われた壱伝媒集団(ネクストメディア)の創業者である黎智英(ジミー・ライ)氏と『りんご日報』関連企業3社の裁判は1月31日、公判20日目に入った。2月1日付香港各紙によると、検察側証人でネクストメディア元最高経営責任者(CEO)の張剣虹氏は、当時『りんご日報』は「どんどん深刻な状況」となり、2021年7月1日を迎えるのは不可能という噂もあったと回想した。張氏は21年4月末に黎氏を訪問した際、具体的にこう尋ねた。「同僚たちは7月1日を迎えられないのではないかと心配している。自ら閉じるべきか?」。これに対し黎は「なぜ自ら殺さなければならないのか? 殴られるまで待ったほうが良い」と答えた。張氏は指示に従いながらも「慎重にやり続ける」こととし、戴耀廷氏の「攬炒十歩曲」の記事を削除し、「光復香港、時代革命」や「武漢肺炎」などのデリケートな言葉は使用しなくなった。

張氏に対する反対尋問で、弁護側は20年7月1日に香港版国家安全法が正式に発効した際、黎氏がWhatsAppメッセージを張氏に送り「国安法の詳細を見てショックを受けた」と述べた。国家安全法については「まず対応戦略を考えなければならず、軽率にしてはいけない」とも指摘した。しかし張氏は、黎氏がどのような戦略を指しているのかは分からず、また、どんなことを軽率にしてはいけないのかも分からなかったが、黎氏の「軽率にしてはいけない」という発言は『りんご日報』職員に香港版国家安全法への違反を避けるよう求めていると受け止めたという。

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