九谷焼作家 今江未央さんを訪ねて。

作品を手にとったその方の生活に馴染ませてもらう

伝統的な九谷焼きは、昔ながらの柄や色味で構成されており、少し堅い印象があります。今江さんの作品は、ユーモアを交えたクスっと笑える作風にしています。また、伝統的な基本色をそのまま使わず、基本色から白で薄めたり、そのほかの色も独自に混合したりして、彼女らしいアレンジを加えています。

色は全部で15色を使い、柔らかい雰囲気を出しています。そうすることで、九谷焼きの格調高い印象から、現代の生活に取り入れられやすいものへと変化させているのです。今江さんの作品に決められた使い方はありません。お惣菜を載せたり、アクセサリーを飾ったり、そのままインテリアとして使ったり。

作品を手にとってくれたその人の生活に合った使い方をしてほしいという思いで作られています。伝統に縛られない自由な作風と、使い方を押し付けない、人に寄り添った姿勢が、今江さんの作品を私たちの生活に馴染ませていくのです。

地元・石川の九谷焼を選んだきっかけ

東京・中目黒でふらっと散歩をしていたとき、”陶芸教室”と書いた看板が目に留まったそう。そんな教室の体験コースで出逢ったのが、「九谷焼の絵付けコース」。それまで九谷焼きに強い印象はなく、地元が石川県であることから、実家にも九谷焼が当たり前に存在する生活をしていたとのこと。

ただ、伝統的な九谷焼きは現代の生活に馴染まないという印象があったそうです。転職を繰り返す中、自分で一気通貫してモノづくりをしてみたいと思っていた今江さんは、九谷焼の世界に飛び込んでみることに。たった3か月で試験に合格。驚きの行動力で九谷焼の沼へと浸かっていきました。

思い立ったら即行動が今までもキーワード

今江さんの作品には、他にはない立体的な器が目立ちます。個性的な作品を作る秘訣として、アイデアが浮かんだらすぐにでも描き起こすこと、別の作品の制作途中でも思い浮かんだら近くにある新聞紙にメモ書きを残すことを挙げています。

また、自分の工房にこもることはせず、常に外との関わりを持つことを意識し、時には制作と関係のないアルバイトをすることもあるそうです。こうして様々な外の刺激を受けながら、伝統工芸を尊重しつつも新たな可能性を開いていく今江さんの作品に今後も期待したいです。

今江さんの作品を見られる場所

金沢のひがし茶屋街にある加賀棒茶の名店、茶房「一笑」では、今江さんの器で提供しています。久谷焼のあたたかさとほうじ茶の香りが、老舗の味を惹きたてています。

彼女の作品は、ホテルにも。ホテルリソルトリニティ金沢では、エントランスやお部屋のアートとして、今江さんの作品を使用しています。

伝統工芸を尊重しつつも、九谷焼の新たな可能性を開いていく今江さん。九谷焼をあえて、やわらかく表現するその技法には、彼女ならではの”生活視点”が息づいています。

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