日本一「恵方巻」を売る鳥取のローソン 5連覇かかるも目指すは「廃棄ゼロ」 地域密着で「ほぼ予約販売」

2月3日は節分の日。恵方巻の慣習が定着する中、実は人口最少県・鳥取県にある店舗が、全国のローソンの中で、最も多く恵方巻を販売し続けています。
これまでなんと4年連続日本一を達成していますが、店が目指しているのは「廃棄ゼロ」。秘密はその販売手法にありました。

2日の午前中。店を訪れると、大量の恵方巻が車に次々と積み込まれていました。
節分に合わせて鬼の格好をした男性が、恵方巻を予約している客の元へ車で配達しに行きます。

ローソン米子弓ヶ浜店 田内睦彦オーナー
「こちらが北、そしてこちらが東なんで、こちらが東北東。こちらの方角を見てもらって無言で食べてもらって福を届けたいと思います」

恵方巻の予約配達を行っていたのは、鳥取県米子市のローソン米子弓ヶ浜店でオーナーを務める田内睦彦さん。
ローソン米子弓ヶ浜店は、全国におよそ1万4500店舗あるローソンの中で、恵方巻の売り上げ4年連続日本一を達成しています。

ローソン米子弓ヶ浜店 田内睦彦オーナー
「年々ライバルが強力になってきて、今年は予約数で群馬の店舗と奈良の店舗と弓ヶ浜店がギリギリ並んでいます」

オーナーによると、今年は売り上げ1位の座をかけて、米子弓ヶ浜店と鳥取県外にある2店舗の3つ巴の恵方巻商戦になりそうとのこと。

去年の米子弓ヶ浜店の恵方巻販売本数は3952本でした。しかしオーナーは、日本一以上に大切にしていることがあると話します。

ローソン米子弓ヶ浜店 田内睦彦オーナー
「一番になるだけが目標ではないところもあって、ロスをなくしたいと思っています」

恵方巻の廃棄ロスの削減です。
節分の風物詩として恵方巻が浸透する一方、近年は過熱する商戦の陰で、売れ残りによる大量廃棄の問題が指摘されています。

ローソン米子弓ヶ浜店が力を入れているのが、事前予約での販売です。
都会の店舗に比べ、地域密着で顔の見える常連客が多いため、そもそも予約販売が売り上げのほとんどを占めます。
また、長年販売を続けてきた経験を活かし、当日販売分は無理のない仕入れ量に調整して、廃棄ゼロを目指しています。

ローソン米子弓ヶ浜店 田内睦彦オーナー
「店舗での当日売りも、長年の経験から何個売れそうというところを想定して適正な数を仕入れているので、それもあって去年はロスがほとんどなかったです。引き続き今年も廃棄がないように努力しています」

予約中心で売り上げ日本一を獲得できる理由は、地域とのつながり。
この日は各地の予約配達にオーナー自らが向かいました。配達に向かう先は、店全体で100か所以上になるそうです。

「鬼は外~!福は内~!」
鬼の格好で配達するオーナーに、心待ちにしていた客が豆をまきます。これも毎年の風物詩だそうです。

お客さんは
「めちゃくちゃありがたいですし、めちゃくちゃ元気もらっています」

ローソン米子弓ヶ浜店 田内睦彦オーナー
「大変なんですけど、やっぱりお客様が『がんばりないよ~』って言ってくれるのがやっぱり励みで、本当うれしい限りです。日々のお客様との関わり、それが大事だなと思っていて、最高の一番福を届けたいと思います」

地域密着のコンビニが、予約販売をフル活用して「廃棄ゼロ」を目指します。

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