ブギウギ第18週振りかえり・あんたと一緒に生きるで

大阪の下町育ちのヒロインが、やがて戦後の日本を明るく照らすスターとなるまでの波瀾万丈な人生を描く連続テレビ小説『ブギウギ』(NHK朝ドラ)。2月3日の放送では、「あんたと一緒に生きるで」と題する第18週(1月29日〜2月2日放送)を振りかえる。

舞台『ジャズカルメン』を熱演するスズ子(趣里)(C)NHK

■ 離ればなれのまま、『ジャズカルメン』の幕が開く

昭和22年1月。恋人の愛助(水上恒司)が大阪の療養所にいるまま、ヒロイン・スズ子(趣里)は東京で静かな正月を迎える。妊娠6カ月のスズ子は、看護師の東(友近)の付き添いのもと、作曲家の羽鳥(草彅剛)が手掛ける舞台『ジャズカルメン』の稽古を開始する。

離ればなれに過ごすスズ子と愛助は、結婚を許さない母・トミ(小雪)からの激しい反対や、怪しい雑誌記者・鮫島(みのすけ)のすっぱ抜きなどに合いながらも、手紙のやり取りでお互いを支え合う。そして、スズ子は身重の身体で『ジャズカルメン』の公演初日を迎える。

『ジャズカルメン』のステージは好評を博し、周囲の支えもあってスズ子は順調に公演を重ねていく。一方、愛助(水上恒司)の病状は悪く、「スズ子の舞台のために外出させてほしい」と話すも、医者から東京行きの許可は出ないままだった。こうしててスズ子は愛助と会えないまま、ついに公演は千秋楽を迎える。

客席にて、スズ子の『ジャズカルメン』を見るりつ子(菊池凛子)(C)NHK

そんなスズ子の楽屋を、歌手のりつ子(菊地凛子)が訪ねてくる。スズ子の様子を受けて、りつ子は、スズ子と出会う少し前に出産しており、10歳の子どもを持つことを打ち明ける。さらに、歌手として活動するため、田舎にいる母に預けたままなのだという。

りつ子の不器用な励ましもあり、スズ子は千秋楽の舞台をやりきる。しかし愛助から届いた便りがハガキになっていたことで「手紙も書けないほど病状が悪化しているのでは」と不安に包まれるのだった。

■ いまだ大阪から戻らぬ愛助、募る不安

『ジャズカルメン』の舞台が終わって3カ月。出産予定日が迫るものの、いまだスズ子は愛助と会えないままだった。「愛助になにかあったのでは」と案ずるスズ子は、マネージャーの山下(近藤芳正)とお目付役の坂口(黒田有)を問い詰めるも、二人は「風邪をこじらせただけ」と話す。

やつれた姿で横になる愛助(水上恒司)を励まそうとする、愛助の母・トミ(小雪) (C)NHK

心配を募らせるスズ子は、作曲家・羽鳥(草彅剛)の妻・麻里(市川実和子)を訪ねる。3児の母である麻里の言葉を聞いて気持ちを落ち着かせたスズ子は、大阪で療養する愛助の無事を祈り続けるのだった。

スズ子の出産予定日が迫り、愛助からは「病気は快方に向かっている」という便りが届くものの、実際は悪化する一方だった。その数日後、スズ子の身体に陣痛があり病院に運ばれる。

■ 愛しい娘の誕生、そして同時に襲う永遠の別れ

スズ子が出産に励むのと同じ頃、愛助は危ない状況に陥り、残る力を振り絞ってスズ子に手紙を書こうとしていた。元気な女の子が生まれたそのとき、スズ子に付き添っていた坂口のもとに、大阪にいる「村山興業」の社長秘書・矢崎(三浦誠己)から電話で緊急の連絡が入るのだった。

愛おしそうに我が子を抱くスズ子(趣里)(C)NHK

スズ子が出産してから2日、病室には羽鳥と麻里の家族が見舞いにかけつけ、スズ子は幸せな時間を過ごす。そんななか、スズ子は、山下と坂口の様子がおかしいことに気がつく。スズ子は、二人になにかあったのかと尋ねるが、そこで愛助が闘病の末に亡くなったことを知らされる。

再会することも、娘の顔を見せることも叶わず、愛する人との永遠の別れに茫然自失となるスズ子。抜け殻のようになってしまったスズ子だったが、愛助からの手紙と、愛子と名付けた娘の力強い泣き声に、娘とともに生きていくことを決心するのだった。

本作は、戦後「ブギの女王」として一世を風靡した歌手・笠置シヅ子さんをモデルに、歌の才能を開花させて上京したヒロインが、昭和を代表するスター歌手として激動の時代を生き抜いていく物語。土曜日はその週の振りかえり。

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