島田市染谷絹代市長も川勝知事に苦言「分をわきまえて」「風向きが変わってきた」

リニア新幹線の工事を巡り静岡県内の自治体のトップから様々な意見がとび静岡県内が揺れています。いったい何が起きているのでしょうか。

静岡市長:
「開業時期についてあまり言及する必要はない」

静岡市長の”けん制”に加えて、この人からも・・・。

島田市長:
「やはりそこは分をわきまえて」

静岡が今、揺れています。

島田市 染谷市長 1日
「知事は政治家としてご発言されている部分もおありなんだろうと思うので、そこについて私がとやかくいうことではありませんが、でもそれぞれ自分たちは自治体として言える権限がある」

川勝知事について言及した島田市の染谷市長。

いったい何のことかと言うと・・・。

川勝知事 1月29日
「なぜ(開業時期が)2027年以降になったのかの説明が、静岡工区が遅れているためだということだったので、言い換えると、2027年までに東京から山梨まで、また長野から愛知までは完成できるということ」

リニア新幹線の開業時期をめぐり、川勝知事が提唱しているのが、静岡工区以外を先に開業するという「部分開業」論。

ただ、JR東海はこれを完全否定し、静岡県との間には大きな溝が生まれています。

それでも持論を展開し続ける川勝知事に、一石を投じたのが静岡市の難波市長です。

静岡市 難波喬司市長 1日
「繰り返しにはなるが、静岡は止まらないので、リニアが。開業時期についてあまり言及する必要はない」

かつての部下でもある難波市長から、けん制された形の川勝知事。

そんな中、大井川流域のリーダー的存在でもある島田市の染谷市長からもこんな指摘が・・・。

島田市 染谷市長 1日
「個人的な感想なら、いざ知らず。ですから、やはりそこは分をわきまえて話をされるということが、JR東海に対しても国に対しても関係のあらゆる機関に対しても誠実に物事を前進させていくためには、大事なことかなと思う。」

「分をわきまえることが大事」と諭したのです。

その上で、今後の大井川流域としての姿勢を示しました。

島田市 染谷市長 1日
「2027年度以降の問題や、環境の問題や、発生土置き場の問題等言われているが、やはり自分たちが口出しできるところ、できないところがあると思う。でも国がその許認可を出すにあたっては、流域の意見は必ず聞いてくれると思っているし、知事はそう約束してくれるので、だとしたら流域はしっかり水を守るということについて、意見を述べていかなければならないし、工事着手の課題についてもいろいろ話を進めていく中で、後戻りというか、手戻りがないような現実的な進捗を図っていくことが大事かなと思っている。」

大井川流域の市や町は、国側とも意見交換会を開くなど、歩みを進めています。

染谷市長は、流域の自治体の「変化」を感じているといいます。

島田市 染谷市長 1日
「全体を総括して私の感想は、以前は流域の市長の皆さんは工事にかかる前段階というか、工事着手前のリスクについていろいろな質問をされていたと思うが、今回誰も工事着手前のリスクを語る人はいなくて、有識者会議の報告書を踏まえて、工事着手後のリスクについて皆さん語っていたなというふうに思う」

また、川勝知事の一連の発言をめぐって、先日JR東海が「反論会見」を開いたことについては、こう表現しました。

島田市 染谷市長 1日
「最近のいろいろなニュースの動きが、風向きが変わってきたことに合わせて、JR東海さんはうまいタイミングでお話しをされたんだろうと思う。数年前だったら言えないことだったと思う。」

静岡市に加えて大井川流域の“身内”からも“意見”が出ている川勝知事。

「風向きが変わった」と言われる中で、静岡問題を解決するため、知事の手腕にもますます注目が集まりそうです。

© 静岡朝日テレビ