「中古ウェッジ」購入で失敗をしないコツとは? ヒントはシャフト選び

MG4を使うコリン・モリカワ(写真上&右)もウェッジワークスを使うジェイソン・デイ(写真下&左)も共にDGのS400。ヘッドが替わってもシャフトは一定

最近はキャディバッグに単品ウェッジを3本以上、入れるゴルファーが増えてきた。実は中古のウェッジ購入は新品を選ぶよりも制約が多く、注意が必要だ。今回は失敗しないために気をつけて欲しいポイントを説明しよう。

肝心なのはシャフト選びと“統一感”

単品ウェッジを組み合わせて使う場合、妥協しないで欲しいのがシャフト選び。まずはアイアンセットに装着されているシャフトを調べてほしい。同じシャフトを選ぶと、挙動が変わらないためショットの成功確率が高くなる。もちろん硬さもしっかりチェック。ウェッジはシャフト自体が短い分、硬く感じやすいので、1フレックス軟らかいシャフトを入れるプロもいるが、まずは同じものを試してほしい。

アイアンセットとウェッジ、同じシャフトを選ぶ。グリップも同じだとさらに一体感が増すだろう

用途に応じてシャフトを選ぶのもアリ。フルショットを多用するAWはアイアンセットと同じにして、コントロールショットやグリーン周りからのアプローチ中心のSWだけ違うシャフトを挿す選び方も知っておきたい。

ウェッジに入っているシャフトがメーカー純正モデルの場合は一考の余地あり。特性が分かりにくいので、打った感触から類推して、アイアンと似ているものを選びたい。避けて欲しいのは、アイアンよりも軽いシャフトが装着されているウェッジ。距離の短いショットでは、ある程度の重さを感じられないとクラブをゆっくり動かしにくい。アイアンのシャフト重量を基準として、同じか、10~20g重いものを選ぼう。

ウェッジにはコレ!というシャフトを見つける

長年ゴルフをやっていると、「このシャフトが入っているウェッジと自分は相性が良い」という一本に巡り会うものだ。「ウェッジはトゥルーテンパーのダイナミックゴールドS200に限る!」という自分なりの“決め”があれば選びやすい。慣れというのは時にセオリーを超えるので、感覚を最優先することもまた正しい。

フィッティングスタジオで話を聞くと、ウェッジのシャフトフィッティングは利用者の満足度が高いという。シャフトによって、アプローチショットへの影響が想像以上に出るからだ。重さや硬さ、特性でかなり違う。シャフトメーカーはスチール、カーボンを問わず「ウェッジ専用シャフト」を多く販売している。「このシャフトなら大丈夫」という一本が見つかれば、ウェッジ選びの“成功率”が極端に上がる。

そのウェッジ専用シャフトを採用したのがフォーティーン「DJ-5」(2021年)。90g台のスチール、60g台のカーボンシャフトを用意している。1万円前後で見つかるだろう。

90g台のスチールは、軽量スチールのアイアンセットと、60g台のカーボンは、40g、50g台のカーボンが入ったアイアンセットと組み合わせることが想定されている

メーカーで統一すれば大丈夫…とは言えないから注意

流れを重視するなら同じメーカー、同じモデルを選ぶことをオススメする。例えば人気のあるタイトリストのボーケイウェッジは「SMシリーズ」と「ボーケイ フォージドシリーズ」を展開。それぞれ最新モデルが出るたびに、ヘッド形状、ソール形状が違和感なく継承されているので、ロフト52度は「SM8」、58度は「SM9」といった具合に同一モデルで年式が違っても大きな問題はないだろう。

しかし、モデルが変われば話は別だ。ボーケイフォージドはヘッドサイズがSMシリーズより少し大きく、オフセットが少しついていて、ヘッド重量も違う(軽い)ので、SMシリーズと混在させるときはじっくりテストしてからにしよう。フルショットを多用するロフト角の小さい番手はボーケイフォージド、大きい番手はSMシリーズというのはアリだが、その逆はロフト角の小さい番手を重く感じてしまうため筆者はオススメできない。中古価格は「SM9」(2022年)と「ボーケイフォージド」(2021年)どちらも1万円台前半からと、お買い得感が出てきた。

他社でも例えばクリーブランド「RTX」、ピンの「GLIDE」なども同じモデルなら年式違いで組み合わせても違和感は少ないだろう。

ボーケイウェッジ(写真右)は、シャフトバリエーションが多く、ウェッジ専用シャフトも選べる

ソール形状の情報収集を忘れずに

タイトリスト、ピン、クリーブランドなど老舗のウェッジにはソール形状に種類が多く、ビギナーはどれを選ぶべきなのか悩むだろう。ソール形状は同じで、バウンス角違いを多数用意しているメーカーもある。各社のウェブサイトなどで、ソールとその意図を詳しく説明しているので、中古モデル購入の際も参考にしたい。

例えばピンのGLIDEシリーズでは、スタンダードなSグラインド、ミスに強いワイドソールのWグラインドは安全。「s159」(2024年)が発表され、価格も手頃になった「GLIDE4.0」(2022年)は1万円台前半から見つかるだろう。AWに当たる番手はスタンダードソール、SW相当の番手はワイドソールというのもアリ。

一番右がワイドソール、真ん中がスタンダードソール

試打で好みを知ろう

ウェッジ選びには際限がない。例えば、アイアンセットのグースが強い場合は、ウェッジもグースがある方が繋がりの良さを感じるだろう。しかし、バンカーショットやアプローチでフェースを開きたいという人は、SWだけストレートネックを選ぶのもイイ。要はどういう使い方をするか? という点に尽きる。

最近はメーカーのフィッティングスタジオやフィッティングイベントなどウェッジを試せる機会が増えてきた。コースで貸し出している場合もある。友人のウェッジを打たせてもらうのも手だろう。練習場でも意外と差が分かるので、いろいろなソールを打ってみるといい。ウェッジはスコアメークの生命線。いろいろなモデルにトライして欲しい。失敗しても、中古ショップが買い取ってくれるから安心だ。(文・田島基晴)

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