中国の科学者、300マイクロメートルの脳内酸素検査装置を開発

中国の科学者、300マイクロメートルの脳内酸素検査装置を開発

埋め込み式マイクロ光電プローブの動作の図解。(資料写真、北京=新華社配信)

 【新華社北京2月2日】中国北京市の清華大学、首都医科大学宣武病院、北京理工大学などの研究者らがこのほど、長年にわたる研究を経て、自由に動く動物の脳深部組織のリアルタイムで正確な酸素分圧をワイヤレスで連続的に測定できる直径約300マイクロメートル(1マイクロメートルは100万分の1メートル)の埋め込み式マイクロ光電プローブを開発した。脳組織内の酸素濃度の変化と神経活動や脳疾患の状態との関係を探るための有効な手段となる。研究成果は1月24日、国際学術誌「ネイチャー・フォトニクス」に掲載された。

中国の科学者、300マイクロメートルの脳内酸素検査装置を開発

顕微鏡で見た埋め込み式マイクロ光電プローブ。(資料写真、北京=新華社配信)

 脳組織の酸素分圧は大脳の酸素含有量の重要な指標であり、これをいかに正確かつ簡便に測定し、神経活動との相互作用を分析するかは、脳科学の基礎研究や脳疾患の臨床診断、治療における重要な課題となっている。研究チームはこのほか、マイクロ光電プローブと合わせてエネルギーや信号のワイヤレスな伝送に用いるマイクロフレキシブル回路を開発、完全埋め込み式の光電酸素分圧感知システムを実現した。

中国の科学者、300マイクロメートルの脳内酸素検査装置を開発

光電酸素分圧感知システムを使った動物の脳組織酸素含有量の測定を示した図。(北京=新華社配信)

 論文の共著者である清華大学電子工程系の盛興(せい・こう)副教授は「新たなワイヤレス方式の脳組織酸素分圧測定の装置と手段には簡便かつ正確でリアルタイムという利点がある。将来的にはてんかんや脳腫瘍、脳卒中、頭蓋内損傷、その他の疾患を有する患者のモニタリングや健康管理への応用が期待できる」と語った。(記者/魏夢佳)

© 新華社