福島第1原発で使用の汚染マスクや防護服 保管コンテナを誤搬出 茨城・百里基地

百里基地=小美玉市百里

防衛省は2日、東京電力福島第1原発事故の自衛隊活動で使用し放射性物質に汚染したマスクや防護服などが入ったコンテナ1個を、処分業者が航空自衛隊百里基地(茨城県小美玉市百里)から誤って運び出したと発表した。基地の隊員が1月29日、コンテナがなくなっているのに気付いた。現在のところ、健康被害は確認されていないという。

同省によると、コンテナは鉄製で約1メートル四方。2011年の原発事故後に現場周辺で活動した隊員が着用したマスクや防護服、手袋など約50点が入っていた。

除染後に基地内の廃材置き場で保管していたが今年1月22~25日、処分業者が廃材を回収した際に、近くにあったコンテナを誤って持ち出したという。コンテナは複数の業者に渡って破砕され、行方は分かっていない。各業者が放射線量を測定した際は自主基準値を下回っていたという。同省が昨年5月に実施した放射線量測定では、コンテナ周辺は毎時15マイクロシーベルトだった。

同省は小美玉市や茨城県などに報告した。県生活文化課は「県民が不安を感じることのないよう適正な管理の徹底を国に申し入れた」としている。

同省は「国民にご迷惑を掛け、深くおわびしたい。再発防止を徹底したい」と陳謝。誤って運び出された原因や経緯を調べている。

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