メタバースで「英語漬け」教育 横浜市、グローバル人材育成へ新たな施策

横浜市役所(資料写真)

 横浜市は世界中の人と協働・共生できるグローバル人材の育成に向け、市内のモデル校を対象にした新たな取り組みを始める。インターネット上の仮想空間「メタバース」を活用した海外の児童生徒との共同学習や、英語で教える教科を増やす「英語漬け」教育を試行。英語で考え、議論する力を伸ばし、得られた知見や成果は市内全体の教育事業に反映していく。

 メタバースを活用するのは、東高校(同市鶴見区)とみなとみらい本町小学校(同市西区)の2校。仮想空間に没入するための「VRゴーグル」や大型スクリーンを整備した専用教室を新設。時差の小さいアジアやオセアニア地域の児童生徒とつなぎ、英語で交流する。両校は国連教育科学文化機関(ユネスコ)の理念を実践する「ユネスコスクール」に認定されており、持続可能な開発目標(SDGs)などをテーマに共同学習する。

 「英語漬け」教育を試行するのは、義務教育学校の西金沢学園(同市金沢区)。従来の英語学習に加え、図工や美術などの他教科を英語で実施。総合的な学習の時間を核とした教科横断の「国際交流科」でも作業や議論を英語で行い、英語に触れる機会を増やす。小学校低学年は24年度から通常年20回の英語学習が8倍の160回に、中学生も1.8倍の時間数になる。英語指導助手(AET)も2人から6人に増やす。

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