「日本の首脳陣が頭を悩ませている」五輪3枠目は伊藤美誠か張本美和か――卓球大国・中国も興味津々「より対策が難しいのは…」

卓球のパリ五輪シングルス代表の選考レースは、先の全日本卓球選手権をもって終了。その結果、女子はポイントで終始独走態勢を築き、同選手権を制した早田ひな(日本生命)、同ベスト8入りの平野美宇(木下グループ)が2位に食い込み、ともに初のシングルス代表の座を確実なものとした。

一方で不透明な状況にあるのが、団体戦メンバーとなる3枠目の選手だ。ポイントレースで3位となった伊藤美誠(スターツ)か、それとも全日本選手権で準優勝し同レース4位の張本美和(木下アカデミー)か。注目の五輪代表候補の男女各3人は、2月5日に発表される。
この状況を卓球大国・中国のメディアも興味深く報じている。ポータルサイト『捜狐』は「2つに1つの選択!伊藤美誠、張本美和、どちらがパリ五輪出場権を獲得できるのか?」と題した記事を掲載。日本卓球協会の強化本部が、東京五輪混合ダブルスで金メダルを獲得するなど実績に優れた伊藤を選ぶのか、昨年11月には早田を破るなど勢いに勝る15歳の張本を選ぶのか、「首脳陣は頭を悩ませている」と指摘する。

同メディアは中国代表の視点に立って両者を比較する。まず伊藤に対しては、中国代表選手が過去最も多くの敗戦を喫しているが、近年は中国選手の方が圧倒的に分がいいと解説。一方で、張本は中国の主力選手に勝てていないものの、15歳で技術的なスタイルも確立されておらず、「試合ごとに新たな進歩を遂げる可能性があるので、中国代表チームとしては、彼女への対策は伊藤よりも難しい」と捉えている。

全日本選手権敗退後には伊藤から「団体戦に選出されても出るかどうかはっきり決まっていない」という主旨の発言もあったが、先月31日に発表された釜山世界選手権団体戦(2月16日開幕)の日本代表メンバーに早田、平野とともに、伊藤、張本、木原美悠が選出。同メディアは「世界選手権の団体戦に出場するのなら、どうしてオリンピックを辞退するのだろうか」と持論を展開し、伊藤は五輪出場を諦めていないと捉えているようだ。

果たして、団体戦メンバーとなる五輪切符の3枠目は誰が手にするのか。中国メディアも「誰がパリ五輪の最終電車に間に合うと思う?」と興味津々の様子で記事を結んでいる。

構成●THE DIGEST編集部

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