群馬・前橋市長選あす投開票 山本市政の評価が争点 浮動票獲得へ両陣営全力

 任期満了に伴う群馬県前橋市長選は4日の投開票に向け、最終盤を迎えた。4選を目指す現職の山本龍氏(64)=大手町、自民、公明両党推薦=と、新人で元県議の小川晶氏(41)=前箱田町=の無所属2人による一騎打ちは、3期12年の山本市政の評価を最大の争点に激戦の様相となっている。選挙戦最終日の3日、両陣営は浮動票の獲得が勝敗の鍵を握るとみて、集会や街頭演説を通じて票の上積みに全力を注ぐ。

 両陣営とも過去最多6人が出馬した前回(2020年)に43.16%だった投票率の動向を気にかけ、電話や交流サイト(SNS)を通じて投票の呼びかけに熱を入れている。

 山本氏は地元県議や支援市議らと連携した組織戦を展開し、これまでの実績や国、県、他自治体とのパイプを強調。高齢者・子育て世帯へのインフレ対策給付金3万円や市長給与50%カットなどを公約の目玉に据え、投票先を決めかねている無党派層へのアピールを強めている。

 陣営は投票率を40%ほどと想定し、勝敗ラインを5万6000票以上とみる。山本一太知事をはじめ、近隣自治体の首長、国会議員らが連日応援に入っている。3日は城南、永明地区を回るほか、前橋みなみモールや上毛電鉄中央前橋駅前などで街頭演説し、市政継続の必要性を訴える。

 小川氏は「しがらみのないクリーンな政治」を掲げ、同市初の女性市長を目指す。陣営は投票率を45%程度と見込んだ上で、目標を7万票に設定。保守層を含めた幅広い現職批判票の取り込みを狙う。給食費無償化や福祉の充実といった政策を掲げ「市民の声を聞かない独善的な市政を変える」と刷新を訴える。推薦する連合群馬もギアを上げ、活動量を増やしている。

 政党から推薦を受けない「市民党」を旗印に、遊説を中心に知名度アップに努めてきた。3日は地元の東地区をはじめ、総社、元総社両地区を選挙カーで回るほか、けやきウォーク前橋近くで街頭演説を行う。

 期日前投票は市役所など18カ所で、3日午後8時(けやきウォーク前橋は同7時)まで受け付ける。2日までの期日前投票者数は前回同期比2813人増の2万4331人。

 同日程で行われる市議補選(欠員2)は3人が立候補している。

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