2月権利確定の【配当利回り】ランキング、トップ5 高利回り銘柄のメリットと注意点も

2023年は大型株、割安株(バリュー株)に人気が集まる傾向にありましたが、海外投資家が日本市場に注目をしているなかで大型株、割安株に資金が集まったり、株主還元に積極的な企業が注目される流れは2024年も続きやすいかもしれません。株主還元のひとつとして配当が挙げられますが、配当利回りが高利回りである銘柄を保有する上でのメリットと注意点は次のとおりです。


高利回り銘柄のメリットと注意点

まず、メリットとしては以下が挙げられます。

【高い収益】高利回り銘柄は通常、他の銘柄よりも高い利回り(配当利回りまたは利子利回り)を提供します。これにより、投資家はより多くの収益を得る可能性があります。

【安定性によるリスク軽減】多くの高利回り銘柄は安定した現金フローを持つ成熟した企業に関連しています。このため、市場の変動に対して比較的強い傾向があります。安定した収益源を提供し、リスクヘッジとして機能することでポートフォリオ全体のリスクを軽減することができます。

【安定収入となる】高利回り銘柄からの配当や利子は、生活費や将来の投資に利用できる収入を提供します。これは特にリタイアメント資金の収益源として重要です。

注意点としては以下が挙げられます。

【リスクの理解】高利回りということは相対的に銘柄の価格が低下する可能性を示唆しています。銘柄のリスクをよく理解し、リスクを適切に管理することが重要です。銘柄によっても異なるので定性面の強みがある銘柄か、足元の決算などを精査する必要があるでしょう。

【企業の健全性】高利回り銘柄を選ぶ際に、企業の健全性や財務状況を検討することが不可欠です。負債が高すぎたり、配当を支払う余裕がない企業は避けるべきです。

【分散投資】 高利回り銘柄だけでポートフォリオを構築するのはリスクが高いため、分散投資が重要です。異なる資産クラスやセクターに投資することで、リスクを分散できます。

【長期投資】 高利回り銘柄は長期的な視点で保有することが重要です。短期の価格変動に惑わされず、長期的なインカムゲインを確保することが目的です。

【税務上の考慮】 配当所得や利子所得には税金がかかることがあるため、税務上の影響を理解し、最適な投資戦略を検討することが重要です。

高利回り銘柄は魅力的な投資先のひとつですが、リスクを適切に管理し、綿密なリサーチと戦略を持つことが成功の鍵です。

今回は、2023年1月30日(水)現在のデータをもとに、2月権利確定銘柄の配当利回りトップ5をご紹介します。

【1位】グラファイトデザイン(7847)

カーボン製ゴルフシャフトのトップ企業である有名シャフトメーカー。2002年に販売を開始したTourADなど自社ブランド製品に強みがあります。カーボンシャフト一筋に製品の企画や設計・製造技術の向上、徹底した生産管理・製品管理とノウハウを蓄積しており、プロゴルファーにも愛されています。プロと同じ物を使いたいと言うゴルフをする方のニーズをとらえるほか、プロの使い心地などのフィードバックを製品に反映できることも同社のビジネスの利点です。ブランド力を一段と強めるような施策やシェア拡大、国内の男性、女性プレイヤーの使用率の向上、SNSの活用などにも努めています。足元24年2月期3四半期は減益となっており、経常利益は83.3%減と大幅減であることは留意しておいてください。

企業名:グラファイトデザイン
株価:859円
最低投資価格:85,900円
配当利回り(予想):4.66%

【2位】バロックジャパンリミテッド(3548)

主力ブランドの「MOUSSY(マウジー)」など若年女性向け衣料のSPA(製造小売業)としてギャル系ファッションに強みを持つ。店員の接客や顧客ニーズのキャッチアップ力に強みがあり、「AZUL BY MOUSSY(アズール・バイ・マウジー)」や「ENFOLD(エンフォルド)」「SLY(スライ)」など幅広いターゲットにリーチできるブランドを持つ。中国や米国など海外展開にも積極的。リアル店舗とECで販売しており、インバウンド需要も追い風で足元24年2月期3四半期は増益で好調。

企業名:バロックジャパンリミテッド
株価:819円
最低投資価格:81,900円
配当利回り(予想):4.64%

【3位】エーアイティー(9381)

大阪に本社がある、物流ソリューションなどを展開する総合物流企業です。海上輸送や航空輸送、通関業務、国内配送など、出荷から納品までをトータルにサポート。中国や東南アジアを中心としたネットワークを展開しており、物流ノウハウを持ち、多様なサービスがあることから低コストで顧客の要望に合わせて最良なサービスを提案できることが強み。24年2月期第3四半期累計(3〜11月)は減益となっていることはご注意ください。(1月11日に発表された24年2月期3四半期連結経常利益は前年同期比21.9%減の37.3億円と大幅減となっています)。

企業名:エーアイティー
株価:1,886円
最低投資価格:188,600円
配当利回り(予想):4.24%

【4位】ヨンドシー(8008)

国内有数のジュエリーブランドである4°Cジュエリーのジュエリー事業が主力。長く親しまれたブランドでコスパが良い一方、SNSではそうしたイメージを揶揄する投稿がしばしば話題になってきました。そのような中、2023年9月に期間限定で匿名で表参道に出店してオシャレだと話題となり、名誉挽回の狼煙が。不採算店舗も減っており、収益改善やブライダル店舗の集約など構造改革にも取り組み、売り上げも順調に伸びています。ブライダル店舗の集約などから足元24年2月期第3四半期累計(3〜11月)の連結決算は増収増益となったものの、直近3カ月間(9〜11月期)は減収減益となっています。

企業名:ヨンドシー
株価: 2,012円
最低投資価格:201200円
配当利回り(予想):4.13%

【5位】ワキタ(8125)

大阪本拠の機械商社で全国展開しています。主力の建機事業では建設機械の商品開発から販売、そしてリース・レンタルまで総合的に手がけており、需要も伸びています。ほかにも介護事業や映像・音響機器などのカラオケ設備事業などの商事事業、賃貸オフィスビル・賃貸マンションの運営、ホテルの運営、分譲住宅事業等の不動産事業を手がけております。1月26日に24年2月期の増配を発表していますが、足元は増収減益で、売上原価の高騰を建機レンタルに価格転嫁するのが追いついていないようです。24年2月期連結業績予想を下方修正しています。PBR1倍割れ解消推進ETF (銘柄コードは2080)に組み込まれている銘柄でもあります。

企業名:ワキタ
株価:1,600円
最低投資価格:160,000円
配当利回り(予想):3.88%


高利回り銘柄は保有しているだけで高い利回りが得られると言う大きな魅力を持っていますが、リスクもあることを把握しながら、気になる銘柄があれば、ぜひ調べてみていただけると幸いです。

この連載が、あなたが良い銘柄と出会うきっかけとなればと思っています。
皆様の投資の成功をお祈りしています。

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