ハースF1、新テクニカルディレクターに元チーフデザイナーを起用。開発効率向上のため、組織変更を進める小松代表

 ハースF1チームは、シモーネ・レスタに代わる新しいテクニカルディレクターを任命したことを明らかにした。また、パフォーマンスディレクターのポジションを新設、チーフデザイナーの選定にも取りかかっているという。

 2月2日、ハースF1チームは、2024年型マシン『VF-24』のカラーリングを発表、その際に、小松礼雄代表が、新たな体制について明らかにした。

 2023年にハースは、コンストラクターズ選手権10位と低迷、1月にはチーム創設以来チーム代表を務めてきたギュンター・シュタイナーが退任、代わって、エンジニアリングディレクターを務めてきた小松氏が新代表となった。さらにテクニカルディレクターのシモーネ・レスタのチーム離脱も明らかになった。

ハースF1チーム代表に就任した小松礼雄

「新しいテクニカルディレクターは、アンドレア・デ・ゾルドです」と小松代表は語った。

「彼は以前チーフデザイナーを務め、非常に技術的な人物です。コミュニケーションの仕方も優れており、非常に熱心で、人の意見に耳を傾ける人物であり、この任命にはとても満足しています」

ハースF1チームの新テクニカルディレクター、アンドレア・デ・ゾルド

「現在はチーフデザイナーの募集を行っていますが、チーム内に良い候補がいると考えているので、内部の人材を昇進させることを考えていきます」

「もうひとつの重要なポジションはパフォーマンスディレクターです。これまで存在しなかったポジションを創設し、以前ビークルパフォーマンス・グループの責任者を務めていたダミアン・ブレイショーをそのポジションに配置しました。彼は、エアロ部門やその他、フルスケールカーの分析を行うすべての部門、つまりトラックサイドエンジニアリング、ビークルパフォーマンス・グループ、タイヤグループといった部門と共に、アップグレードの方向性を監督および推進します」

「これが(体制面での)重要な変更点です。全員を仲間に引き入れ、一緒に話し合い、船の舵取りに参加してもらいます」

ハースF1の2024年型マシン『VF-24』のカラーリング(フロント)

 技術面での組織変更を行っている理由について、小松代表は、「コース上で見出したものをマシン開発に確実につなげられるようにするため」と説明している。

「以前の組織構造を見ると、その側面での情報を正しく伝達するための明確な道筋がありません。今は、トラックサイドで見出されたすべてのことが、空力、風洞、CFDの各部門につながる、コミュニケーションの循環ができています。今は、たとえ意見の相違があるとしても、少なくとも全員が、なぜマシンをそのような形で開発しているのかについて、明確に理解しています」

「この問題こそが、私たちが、マシンにアップグレードを施すことができず、シーズン中に後退してしまった主な理由のひとつです。今ではすでにこの形で取り組んでおり、透明性、オープンさ、コミュニケーションが大きく向上しています。従って、今年はマシンを適切にアップグレードできる可能性がはるかに高まっていると信じています」

マネーグラム・ハースF1チームの2024年型マシン『VF-24』のカラーリング

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