「ダム貯水量の劇的な回復は期待できない」 沖縄の1月降水量、32地点で平年値を下回る 沖縄気象台

(資料写真)1月17日午後時点で貯水率が60%を下回り、赤土がむき出しになった東村川田の福地ダム

 沖縄地方の全34観測地点のうち平年と比較のできる32地点で、1月の降水量が平年値を下回っていることが分かった。うち24地点は平年比50%未満にとどまっている。沖縄気象台の担当者は「これから平年より多く雨が降ったとしてもダム貯水量の劇的な回復は期待できない」と話している。

 観測地点のうち最も平年比が低かったのは多良間村伊是名で、降水量は17.5ミリと平年値(99.3ミリ)の17.6%。沖縄市胡屋でも降水量は24.5ミリと、平年値(102.6ミリ)の23.9%だった。昨年8月の降水量は台風6号の影響で平年比216%と統計開始以降最も多く、ダムの貯水率も一時100%となった。しかし、9月以降は少雨傾向が続き、ダムの水位が低下している。特に9月から11月の降水量は平年値の55%程度で、統計開始以降で5番目に少ない観測となった。

 沖縄気象台は降水量が少ない要因を「平年に比べて大陸の高気圧に覆われやすく、湿った空気の影響を受けづらかった」と説明する。エルニーニョ現象が発生したことも関係している可能性があるという。気象台が1日に発表した1カ月予報の降水量は、「少ない」と「平年並み」の確率が各30%、「多い」確率が40%。気象台は「冬から梅雨時期にかけては例年雨が少なく、ダムにたまるようなまとまった雨は見込めないだろう」と話している。(社会部・垣花きらら)

降水量が少ない主な地域
県内11ダムの貯水率(2日午前0時現在)

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