南島原で竹のパウダー化による肥料販売 大﨑彰二さん放置竹林問題に一石二鳥の解決策

「竹パウダー」をコンビニで店頭販売している大﨑さん=南島原市、モンマートおおさき

 過疎化に伴い放置された竹林が里山や畑を荒廃させている問題を解決しようと、南島原市南有馬町のコンビニ店経営、大﨑彰二(あきつぐ)さん(66)が専用の工作機械で竹をパウダー化し、畑の肥料用として店頭販売している。「放置竹林の解消と土壌改良の“一石二鳥”」と話している。
 竹は地中に浅く根を張り、竹林が広がると地盤が緩くなり、土砂崩れの原因にもなる。また、日光を遮るため、ほかの生物が育ちにくくなり、放置されると里山が荒廃する。だが、人口減社会に伴い、竹林の管理者の高齢化や後継者不足が全国的に顕在化している。
 大﨑さん自身も所有する山林が竹に浸食され荒れていたため「何とかならないものか」と悩んでいた。ある時、動画投稿サイト「ユーチューブ」で、石川県の建築業者が伐採した竹をパウダー化して畑の土壌改良に役立てている動画を見たことで「これだ」と一念発起。昨年4月に工作機械を購入した。
 大﨑さんが機械のエンジンをかけ、導入口に直径10センチほどの竹を差し込むと、見る見るうちに竹は短くなり、パウダー状になってはき出されてきた。「1日作業を続ければ、100キロぐらいの竹は処理できる」と胸を張る。
 コンビニ裏の畑に竹パウダーをまいたところ、ピーマンやナスビなど季節野菜の生育が例年に比べて良かった。「白菜が大きく育った」とご近所さんの評判も上々だ。大﨑さんは「専門機関で検証したわけではないが、竹粉に含まれる乳酸菌が土中の微生物を活性化し農作物の成長促進や病害虫被害の減少に効果があるようだ」と説明する。
 今では活動が知られ、竹林の伐採の依頼が増えたという大﨑さん。「放置竹林で困っている人は多い。里山の保全につながってくれればうれしい」と話す。竹パウダーは5キロ500円で販売。コンビニ経営の傍ら伐採作業をしているため日程調整、費用は要相談。
 モンマートおおさき(電0957.85.2127)。

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