批判…取材に応じなかった市長、理由を説明「総合的に判断」 悲願の地下鉄7号延伸“年度内”申請断念した直後の取材「延伸を断念したわけではなく半歩前進」

清水勇人市長=2日午後、さいたま市役所

 地下鉄7号線(埼玉高速鉄道)の岩槻延伸事業で、埼玉県さいたま市の清水勇人市長は2日の定例会見で、2023年度中の事業実施要請を断念したことについて質問され、「政治家として決断し、約束を果たせなかった。市民におわびを申し上げたい」と陳謝した。一方で、「延伸を断念したわけではない。半歩前進と思っている」と述べた。

 清水市長は21年6月に、市議会の代表質問で、「23年度中に鉄道事業者に対する要請を行う」と答弁していた。

 市は1月24日、概算建設費が当初から1.5倍の1300億円に増大したなどとして、23年度中の事業要請を実施しないと明らかにした。市は鉄道事業者に技術支援を要請し、受諾すると回答を得たという。市長は「県や鉄道事業者と連携し、これまで以上に延伸に向けて取り組む」と述べた。

 市長は申請断念を明らかにした1月24日、取材対応をしなかった。理由を問われ、「新年度予算に関わるため、きょうになった。できるだけ早く説明するのが望ましいが、総合的に判断した。さまざまな意見、批判があることは真摯(しんし)に受け止めたい」と述べた。

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