第4次ブーム到来中! カプセルトイの最前線に迫る キャッシュレス対応機や一個1500円の商品も

コインを入れて「ガチャっ」とハンドルを回すと出てくる小さなカプセル「カプセルトイ」。この小さな箱の中には大きなワクワクが詰まっています。よく知られている「ガチャガチャ」という名称は玩具メーカーの登録商標で、正式名は「カプセルトイ」です。

カプセルの中身は今や、おもちゃに限らず見た目もリアルで種類も様々。進化を続けるカプセルトイの最前線を取材しました。

第4次ブーム到来中 1番人気は「1500円」のカプセルトイ?

愛知県江南市にあるカプセルトイの専門店には、約600台のマシーンが並び、1日に500人のお客さんが訪れます。

一番人気だというカプセルトイは、一個なんと1500円!特大サイズのカプセルからは、複数のパーツが出てきました。組み立てると、全長16センチ、世界最大級のカブトムシ「ヘラクレスオオカブト」ができあがります。

黒い光沢ある姿は、本物と見間違えるほどリアル。脚が動かせるだけでなく、羽を取り付けると飛んでいる姿にもなるなど、細かいこだわりが。また、別の人気商品には熱帯魚「ベタ」もあります。リアルな質感と色彩で、今にも動き出しそうです。

カプセルトイが登場したのは、名古屋市営地下鉄の栄駅から市役所駅間が開通した、高度成長真っただ中の1965年。アメリカから輸入したものが始まりでした。

その後、マンガのキャラクターの消しゴムが1億8千万個も売れる大ヒットとなった、1980年代が第1次ガチャブーム。そして、第3次ガチャブームで女性を中心に人気を呼んだのが「コップのフチ子」。表情や服のしわまで表現した精巧さも人気の理由でした。そして今、第4次ブームが到来中で、市場規模もこの10年で約2倍の610億円に達しています。

キャッシュレス対応機も!変わり種カプセルトイを開発する「funbox」

愛知県刈谷市にある企業「funbox」では、納豆や昭和レトロな三角牛乳、電灯スイッチのカプセルトイなど、変わり種のオリジナル商品を作っています。工場ではひと月に約30万個の商品がカプセルに詰められています。

巨大な倉庫には、4000台の機械がズラリと並び、中には現金を持たない人に対応した“QR決済専用機”もありました。キャッシュレス化が進んでも、絶対になくせないのが「ガチャガチャ」と回すハンドル。

(funbox企画デザイン部・高原奈々子リーダー)
「このハンドルですね。子どもたちに何が出てくるのかなという、ワクワクが詰まっている所だと思います」

「ガチャっ」というハンドルを回す時の感触と音だけは、昔も今も変わっていません。取材日には、月に2回の開発会議が行われていました。2024年1月発売予定の新作は、1990年代に流行った懐かしのグッズをスケルトンで再現した玩具です。

試作段階では、透明なアクリル板を特殊なプリンターにセットし、印刷を繰り返していました。2種類の板を貼り合わせると、リアルに見える懐かしのカセットテープの出来上がりです。

(funbox・清田勇人執行役員)
「表面だけ(の印刷)では平たく見えるので、裏側も印刷することで立体的に見えるような工夫を施しています」

社内のスタッフからも「懐かしい…」の声があがりました。1個200円なので動かすことはできませんが、細かい工夫でリアルに見せています。次々に新たなアイデアで進化を続けるカプセルトイ。ガチャっと回せば、そこにはいつもワクワクと笑顔が生まれています。

CBCテレビ「チャント!」1月9日放送より

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