マカオで今年初の輸入性マラリア感染例確認…患者はコンゴ民主共和国勤務

マカオの大型総合病院として知られる鏡湖醫院(資料)=本紙撮影

 マカオ政府衛生局(SSM)は2月1日夜、マカオで今年(2024年)初めてとなる輸入性のマラリア感染者が1人確認されたと発表した。

 患者はマカオ居民の男性(54)で、アフリカのコンゴ民主共和国で勤務しており、1月24日にマカオへ戻った後に頭痛、発熱、全身筋肉痛、咳、鼻水などの症状が現れ、医療機関を受診。その後、同月30日夜になって症状が悪化し、意識の低下、脱力、直立歩行不能となったため、救急車で私立の大型総合病院として知られる鏡湖醫院へ搬送され、そのまま入院することになり、同院での血液サンプル検査を経て悪性マラリアと診断されるに至り、病状は深刻とのこと。

 同局では、患者の外遊歴、発症時間、検査結果を総合し、輸入性マラリア感染例と判断。現在、患者は中国本土の医療機関へ転院して治療を受けており、患者と同住の家族及び同行者に類似の症状は出現していないという。

 同局によれば、マラリアは命の危険を伴う重大な伝染病であり、雌のハマダラカ(羽斑蚊)に刺されることでマラリア原虫が媒介されヒトに感染し、ヒトとヒトとの間で直接感染することはないが、汚染された血液や血液製剤、臓器移植、注射針の共用、母子感染といった感染の可能性もあるとのこと。現在は薬による有効な治療が可能であり、早期診断と治療が最も重要であるとした。

 同局は今回の輸入性マラリア感染例の確認を受け、マカオにはハマダラカの発生源となる池、沼、渓流などが少ないことから、ハマダラカは一般的な存在ではなく、マカオにおける感染及び伝播リスクは低いとした上、マラリアはアフリカ、東南アジア、南米など熱帯、亜熱帯の温暖な場所で多く出現しており、市民に対してマラリア流行地区へ渡航する際には防虫対策をしっかり講じ、(ワクチンがないため)必要に応じて予防薬を使用するよう呼びかけた。

© 大航海時代新聞出版社有限公司