香妻陣一朗はLIVのフォーマットに翻弄 “トリ発進”も堂々の滑り出し

LIV開幕戦をイーブンパーで発進した香妻陣一朗(撮影/服部謙二郎)

◇LIVゴルフリーグ◇マヤコバ 初日(2日)◇エル・カマレオンGC(メキシコ)◇7116yd(パー71)

LIVゴルフリーグのメンバーとして初戦を迎えた香妻陣一朗。LIVのフォーマットの一つであるショットガンスタートの洗礼をいきなり浴びることになる。スタートホールの12番は両サイドが狭く、「18ホールの中で一番嫌かも」という影響がモロに出た。ティショットは「狙い通りだったんですけど風が思ったより来なかった」と右ラフへ。そこから4番アイアンで打ったボールは右に曲がり、カート道を跳ねて林の奥へ。これをアンプレアブルとし、打ち直しの4打目は乗らず、5打目も寄らず。5オン2パットの「7」で出だしをトリプルボギーとした。

この日はパッティングがさえていた(撮影/服部謙二郎)

出だしからの「+3」に「きょうはいったい、いくつたたくんだろう」という思いが頭をよぎったが、その後のホールは「カシオ(昨年のカシオワールドオープン)あたりから感覚が戻っていた」という得意のパッティングに救われた。

13番(パー5)以降はしぶとくパーパットを沈め、18番で3m、3番で6m、4番(パー3)では4mのバーディパットを決めてイーブンパーに戻した。「普段なら予選落ちとか考えちゃうんですけど、それがないのはやっぱりでかいですね」。カットラインが頭をよぎると無理に攻めていきそうなところも「セーフティに、セーフティに。ミスショットってこう出るだろうなと予想しながら保険をかけてやっていました」。LIVのもう一つのフォーマット(カットラインなし)が生き、徐々に平静さを取り戻していった。

セーフティに攻めた(撮影/服部謙二郎)

その後は10番(パー3)でスコアを落としたものの、最終11番で3mのバーディパットを入れて、イーブンパーでフィニッシュ。終わってみれば26位タイとフィールドのまさに真ん中。「出だしのトリを考えたら、よく戻したなって感じです。明日次第ですけど、まだトップ10も狙えるかな」と欲も出てきた。

2打差にブルックス・ケプカがいて、ティレル・ハットン(イングランド)よりも1打上と、世界ランキング上位者に囲まれた中で堂々たるスコア。「朝は緊張しましたけど、ちょっと慣れたんで、明日はもうちょっとアグレッシブにいきたいですね」。LIVのシード選手として自信も芽生えてきたか。

試合前にチームキャプテンと談笑(撮影/服部謙二郎)

ところで、もう一つのLIVのフォーマットである団体戦のことは試合中、考えていたのだろうか? 2日目まではチーム4人のうち上位3人のスコアが採用される。「もちろん、出だしからずっと頭の中にありましたよ。最初にトリをたたいたときは、あ、俺のはないなって(笑)」。でも、そこから踏ん張った。「あいつ“いらないな”って思われたくないじゃないですか。(チームで3位タイの結果に)最低限のことはできたかな。あしたはしっかり採用されるよう頑張りたいですね」。試合後はチームメートでこの日2アンダーと貢献したスコット・ビンセント(ジンバブエ)と健闘をたたえ合った。LIV初の日本人シード選手として、この舞台を十分楽しんでいる。(キンタナロー州プラヤデルカルメン/服部謙二郎)

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