雪なく、泣く泣く イベント中止・延期相次ぐ 青森県内、スキー場も影響

3日から「青森冬まつり」が開かれる予定だった青い海公園。1日も雪はうっすら積もる程度しかなかった=青森市
例年は雪に隠れるグラウンド上の砂袋が露出する新県総合運動公園陸上競技場のサブグラウンド=1日、青森市
雪解けして地面が見える弘前公園で雪燈籠の土台を作る市民ら=弘前市下白銀町
冬の田んぼアート会場。少雪で稲の株が見えている=1日午後、田舎館村の道の駅いなかだて
例年、氷上ワカサギ釣りが行われる姉沼。暖冬により氷が張らず、釣り場は寂しさを増す=1日午前、三沢市三沢小山田
五所川原市金木町の嘉瀬スキー場を視察する市教育委員会職員ら。積雪が少なく、2月の学童スキー大会などの中止を決定した=1日午後1時25分ごろ

 今季の県内は暖冬と少雪に見舞われ、雪に関連した催しの中止や延期が相次いでいる。青森市は2日午後7時時点の積雪が、平年の約3分の1に当たる24センチ。各地のスキー場や冬のレジャーへの影響も大きく、関係者は降雪と冷え込みの動向を祈るような気持ちで見守っている。

 青森市では3、4日に青い海公園で予定していた「青森冬まつり」が、目玉の雪の大型滑り台が造れず中止となった。実行委員会事務局の市担当者は「新型コロナの5類移行後初の開催。昨年以上の来場者を見込んでいたが…」と残念そう。

 スノーモービルを使うアトラクションが人気の「スノースポーツパーク青い森」は、1月14日から同市の新県総合運動公園で開催予定だったが、開始を同21、28日と2度延期。それでもなお雪不足が続き、2月11日スタートに再度変更している。

 会場の陸上競技場サブグラウンドは、安全のため圧雪状態で積雪30センチ以上を開催基準としているが、2日時点では圧雪前で約10センチ。主催するスポルト青い森グループの川村大グループリーダー(43)は「県外の予約や問い合わせも多く、来週には開催可否の結論を出したい」とした。

 一方、予定通り9日に開幕する弘前市の弘前城雪燈籠(ゆきどうろう)まつりでは、弘前公園の雪不足でトラック約170台分の雪を山間部から運び込み、1日には市民による雪燈籠の制作も始まった。

 まつりの目玉となる大雪像「函館ハリストス正教会」を制作している陸上自衛隊弘前駐屯地の広報担当者は「気温が高い日中に細かな加工をすると崩れてしまう。時間帯によって作業を変えたり、ブルーシートで日光を遮るなど工夫している」と話した。

 田舎館村の「道の駅いなかだて」で10日から行われる「冬の田んぼアート」について、村は「現状では厳しい」との認識。制作団体との協議や天気予報を確認するなどして5日に実施の可否を最終判断する。

 東北町の小川原湖南側にある「姉沼」では氷が張らず、冬の風物詩とされる氷上ワカサギ釣りが行われていない。例年1月中旬に解禁され2月末まで続くが、ワカサギ釣りを主催する青森フィッシングガイドの西本匡代表(48)は「氷の厚さは最低15センチ必要。こればかりは自然相手の話なので」と諦めがにじむ。

 七戸町営スキー場は雪が足りず、今季はまだ営業していない。指定管理者の南部縦貫によると、ゲレンデに雪はあるものの、圧雪すると土が露出する状態。五所川原市金木町の嘉瀬スキー場も今季オープンの見通しが立たず、11、12日に開催予定だった子どもたちのスキー大会は中止となった。金木ジャンプクラブ、金木スキー倶楽部の伊藤永慈会長は「残念。北五地域のスキー人口増加のためにも大会を開きたかったが、自然には勝てない」と肩を落とした。

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