【日本代表プレビュー】アジア頂上決戦、エース欠く相手に不測の事態に巻き込まれた日本はスタメン継続路線と予想/vsイラン代表【アジアカップ2023】

日本代表予想フォーメーション[写真:©超ワールドサッカー]

アジアカップ2023・ラウンド16のバーレーン代表戦で1-3と勝利した日本。強豪国がひしめくベスト8に勝ち残った中、3日にはイラン代表との一戦を控えている。
【動画】日本勝利のバーレーン代表戦の舞台裏

FIFAランキングでは17位の日本に次いで、21位につけるイラン。アジアで1位と2位の対決が準々決勝で実現した。

2019年の前回大会では準決勝で実現したカードだったが、0-3で日本が勝利し決勝に駒を進めている。日本にとっては今大会最初の優勝候補国との対戦となるが、負けるわけにはいかない。

◆不測の事態も目標は変わらず頂点へ

ノックアウトステージに入り、目標である優勝に向けて負けが許されなくなったなか、日本代表に激震が。週刊誌による性加害と刑事告訴の報道により、伊東純也が離脱することとなった。バーレーン代表戦の数時間前の出来事に動揺は少なからずあったはずだが、しっかりと勝利。しかし、イラン戦を前に伊東はチームから離れ、今大会を後にした。

森保一監督は「痛く、残念な思いはある」とコメント。ただ「イラン戦に臨める選手たちが思い切って戦えるということについて、全く心配しておりません」とチーム力に自信を窺わせた。

キャプテンの遠藤航も「純也の思いを尊重するしかない」と語りながら、「アジアカップで優勝するためにここに来ている」と改めて本来のやるべきことに向かうと意気込んだ。

伊東がいなくなったことで、日本にとっては戦い方と選択肢が減ったことは間違いない。ここからの3試合、勝ち上がればタイトな日程の中で強豪との対戦が続くことを考えれば当然痛手だが、1人がいなくなって崩れるチームではないことも事実。ケガや出場停止とは違う不測の事態だが、チーム力を改めて見せる試合になるだろう。

イランはこれまでの相手とは違い、自分たちのスタンスを崩さないで日本と真っ向勝負になるだろう。力のぶつかり合いとなる中で、「真っ向勝負でぶつかってくると思うので、僕らは上を行かないといけない」と冨安健洋は語った。アジアのトップレベルの戦いで、しっかりと結果を残せるか注目だ。

◆エース不在、4年前の借りを返す

対するイランは、グループステージでパレスチナ代表、香港代表、UAE代表を相手に3連勝。力の差があったグループだが、しっかりと実力を発揮して勝ち上がってきた。

しかし、ラウンド16のシリア代表戦では苦戦。90分で決着がつかず、延長戦も戦った上でPK戦を制してベスト8入りを果たした。

そのイランだが、前述の通り4年前のアジアカップでは日本に敗戦。リベンジを果たしたい戦いになるが、エースFWメフディ・タレミが出場停止という状況。それでも、力のある攻撃陣をベースに日本に立ち向かってくるだろう。

イランのアルデシル・アミール・ガレノエイ監督は「これが決勝になる可能性もあったが、我々は準々決勝で対戦することになる」と日本との一番を決勝に値するとコメント。日本の実力を認め、「日本はとても良いチームで、ノックアウトステージではグループステージで見せたよりもずっと良いパフォーマンスを見せている」と警戒した。

共に中2日の戦いになる中で、イランは試合時間の関係でディスアドバンテージを負っている。それでも、紛れもない実力国。最多の日本に並ぶ4度目の優勝を目指す中では、乗り越える策を講じてくることは間違い無いだろう。

◆予想スタメン[4-3-3]

GK:鈴木彩艶
DF:毎熊晟矢、板倉滉、冨安健洋、中山雄太
MF:久保建英、遠藤航、守田英正
FW:堂安律、上田綺世、中村敬斗
監督:森保一

中2日で迎えるイラン戦のスターティングメンバーは予想が難しいが、「選手たちが前向きにこの2日間、できるだけの準備をした」と森保監督はコメント。万全の状態に整えているという。

システムは変わらず[4-3-3(4-1-4-1)]になると予想。GKは5試合目となる鈴木彩艶(シント=トロイデン)だろう。これまでの4試合全てで失点し、6失点という結果ではあるが、信頼は厚い。この苦しみを乗り越えた先にある優勝へ。決して悪いところばかりではなく、ここでクリーンシートを達成すれば、この先の戦いも乗ってくるだろう。

最終ラインも変更なしと予想する。消耗が激しいと予想される右サイドバックの毎熊晟矢(セレッソ大阪)だが、それを凌駕するハイパフォーマンスを2試合で見せた。「大丈夫」と先発にも意欲を見せていただけに、継続しての起用となるだろう。センターバックも板倉滉(ボルシアMG)と冨安健洋(アーセナル)のコンビになるはずだ。バーレーン戦ではエースを完封。イランもタレミがいないとはいえ、サルダール・アズムンら強力なアタッカー陣が揃っている。しっかりと2人のコンビネーションで封じたい。左サイドバックも気の利いたプレーを連発している中山雄太(ハダースフィールド・タウン)と予想する。

中盤はこちらもハイパフォーマンスを見せていた旗手怜央(セルティック)を起用したかったが、バーレーン戦で右ふくらはぎの肉離れで離脱。起用はできないと考えられ、代役は守田英正(スポルティングCP)になるだろう。オフサイドになったが、ボックス内への飛び出しで攻撃に絡むシーンもあり、より高いレベルのプレーを期待したい。インサイドハーフの相棒は久保建英(レアル・ソシエダ)になるだろう。ついにゴールも奪い、パフォーマンスも悪くない。チームを勝たせる役目を担う準備は十分できている。

アンカーには、変わらずキャプテンの遠藤航(リバプール)が入ることに。しっかりと蓋をして、イランの攻撃を自由にさせないプレーが期待。攻撃へ転じるパスにも注目だ。

前線は右に堂安律(フライブルク)、左に中村敬斗(スタッド・ランス)、中央に上田綺世(フェイエノールト)と変わらない3人になるはずだ。堂安も毎熊、久保との好連携を見せており遂にゴールも記録。大一番での勝負強さを発揮する時がきた。中村は三笘薫(ブライトン&ホーヴ・アルビオン)が復帰したことをプラスに捉え、積極的に仕掛けて出し尽くしてほしいところ。上田もストライカーとしての能力をしっかりと代表でも見せて結果につなげている状況。ノっているこの勢いで、大会得点王になるべくゴールを重ねてもらいたい。

アジアの頂上決戦となるイラン代表戦は3日(土)の20時30分にキックオフ。DAZNとテレビ朝日で視聴が可能だ。

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