『おっさんずラブ』田中圭×林遣都“バックハグろくろ”の尊さ ネタてんこ盛りの大乱闘も

早くも物語の折り返しを迎えている『おっさんずラブ-リターンズ-』(テレビ朝日系)。第5話では、春田(田中圭)と牧(林遣都)の新婚旅行に、武蔵(吉田鋼太郎)、さらには和泉(井浦新)と菊之助(三浦翔平)までもが乱入することとなる。

旅行先は熱海。武蔵が福引で当てた4名までのファミリー旅行宿泊券を春田と牧に渡し、一方その頃、和泉も同じ福引で旅行券を引き当てていた。「空気になる」と約束した武蔵を余所に、春田と牧は陶芸体験へ。春田は牧を背後から抱きしめるようにして一緒にろくろを回し始める。指を絡ませ、頬を寄せ合う2人。映画『ゴースト ニューヨークの幻』のムーディーなあの曲が聴こえてくるかのような“ろくろゴースト”である。

今回のメインとなる舞台、いや格闘場は旅館の大広間。従業員が畳でスーッと滑ってくるのに春田(というか田中圭)が笑いを堪えきれなくなっていた頃はまだ平和だった。夕食会場ということで当然和泉と菊之助も合流。5人は同じテーブルを囲む流れとなる。

そこから乱闘騒ぎに発展していくきっかけとなるのが、牧と和泉がドロドロの浴衣姿で帰ってきたことからだ。それは、結婚指輪をなくしてしまっていることに気づいた牧と和泉が一緒になって海岸沿いを探していたからなのだが、牧は罪悪感から春田に言い出せない。

ここですかさず弱みをついてくる武蔵が扇子で牧の頭を叩いたことから嫁姑、改め「抱え込み系の涙目チワワ VS デンジャラスぶりっ子クソジジイ」が勃発。どさくさに紛れて春田の背中に抱きついた武蔵は、「今夜は、はるたんの寝顔を見るのを楽しみにしてるまーす! 武蔵ワクワク!」と『SPY×FAMILY』のアーニャのモノマネをぶち込む煽りっぷりだ。

座布団が宙に舞う頃には、止めに入った和泉、菊之助も巻き込む収集のつかない事態に。床の間にあった岩、エアソフト剣、バトミントン、リモコン、障子、弓など、とにかくアイテムで攻撃する牧に、武蔵は「ドロドロ不倫」を筆頭とした重たいワードパンチで応酬。菊之助の春田への「アラフォーのくせにあざとい」というごもっともな意見に、武蔵が首がもげるほど「禿同」といったように、ここでは書ききれないほどの醜い争いが続き、ラストを締めくくったのは牧の結婚指輪をなくしたことの告白、そして扇子を持つ武蔵による能の言い回しでの「オ~エムジ~」だった。

結婚指輪は陶芸体験をした窯元で発見。隠し事をしないと第2話で約束したばかりの2人は、春田の「牧の方が何万倍も大事」という言葉とともにさらなる愛を深めていた。武蔵が熱海旅行で撮影した春田の写真を眺めながら「かわちい~!」とソファーにダイブしていた頃、和泉は自身の中に芽生えつつある春田への思いを実感し始めていた。

秋斗(田中圭)ではなく、春田を「好きになったのかもしれない」という和泉の告白を聞き、菊之助は愕然として言葉を失う。これは和泉にとっての過去の呪縛からの解放なのだろうか。そして、菊之助にとって熱海が恋の卒業旅行になってしまうのか。

(文=渡辺彰浩)

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