2024シーズン全J1クラブ戦力評価ランキング(10~6位)

写真:Getty Images

2月23日にサンフレッチェ広島VS浦和レッズというカードで幕を開ける2024明治安田J1リーグ。12月8日の最終節まで、全20クラブがそれぞれの目標に向かってしのぎを削る。

ここでは今季J1リーグで戦う20クラブを監督、ゴールキーパーとディフェンダ―(GKDF)、ミッドフィルダー(MF)、フォワード(FW)、クラブとしての継続性の5項目に分け、それぞれ10点満点(計50点満点)で採点しランキング。同点の場合は個が勝るケースが多いため、選手であるGKDF、MF、FWの点数を優先している。

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セレッソ大阪 写真:Getty Images

10位:セレッソ大阪

計37点

  • 監督:7点
  • GKDF:8点
  • MF:8点
  • FW:7点
  • 継続性:7点

小菊昭雄監督指揮のもと、4年目を迎えるセレッソ大阪。GKキム・ジンヒョンや日本代表DF毎熊晟矢、MF香川真司、FWレオ・セアラなど昨2023シーズンの中心選手は移籍することなく、チームの軸にブレはない。

北海道コンサドーレ札幌からDF田中駿汰とMFルーカス・フェルナンデス、ブラジルのアトレチコ・パラナエンセからFWヴィトール・ブエノらを加えた一方で、DFマテイ・ヨニッチ(仁川ユナイテッド)やDF松田陸(ガンバ大阪)、DF丸橋祐介(サガン鳥栖)などベテランを中心に移籍。

意図的か偶然か世代交代が進行したが、競争の激しさにさほど変化はない。ただし、昨季終盤の8試合で1勝のみに留まったことは不安材料だ。また、上位に絡むには得点増が欠かせず、セアラ以外にFWがなかなか定まらないことも改善したい部分だ。


FC東京 写真:Getty Images

9位:FC東京

計37点

  • 監督:7点
  • GKDF:8点
  • MF:8点
  • FW:8点
  • 継続性:6点

昨季途中に就任したピーター・クラモフスキー監督の続投が決まったFC東京。毎年のように積極的な補強を進めながらも、2023シーズンは11位に留まった。日本代表に初選出されたGK野澤大志ブランドンをはじめDFバングーナガンデ佳史扶、MF松木玖生、FWディエゴ・オリベイラなどを擁しながら、チームとしての質で勝らず勝ち点を落とす試合が多かった。

今季に向けてはMFアダイウトン(ヴァンフォーレ甲府)やMF渡邊凌磨(浦和レッズ)などが移籍したものの、アルビレックス新潟からMF高宇洋、ドイツの1.FCウニオン・ベルリンからMF遠藤渓太、北海道コンサドーレ札幌からFW小柏剛など、より多くの即戦力を加えた。

選手の質では上位陣と差はないはずだが、補強の方向性と指針が定まっていない印象。クラブとしては攻撃的なサッカーを目指すようだが、クラモフスキー監督は昨季との違いを見せられるだろうか。


アビスパ福岡 写真:Getty Images

8位:アビスパ福岡

計38点

  • 監督:9点
  • GKDF:8点
  • MF:7点
  • FW:5点
  • 継続性:9点

昨季のルヴァン杯王者で、長谷部茂利監督就任以降は継続路線を貫くアビスパ福岡。今回の移籍市場でも退団7人、加入6人と動きは少なかった。ただし、中心を担ったMF井手口陽介(セルティック復帰後、ヴィッセル神戸へ移籍)とFW山岸祐也(名古屋グランパス)の2人がチームを離れた。

前者のポジションには清水エスパルスからMF松岡大起、後者のポジションにはサンフレッチェ広島からFWナッシム・ベン・カリファを迎え、FWルキアン(湘南ベルマーレ)が抜けたシャドーの位置にはサガン鳥栖からFW岩崎悠人を獲得した。

守備陣はほぼ入れ替わりがなく、平均年齢の若返りに成功している。不安なのは計15得点分が抜けた攻撃陣。新加入のベン・カリファか怪我からの復帰を目指すFW佐藤凌我、FWウェリントン、FW城後寿らのうち、誰かが二桁得点を奪えるかが順位を左右する。

名古屋グランパス 写真:Getty Images

7位:名古屋グランパス

計38点

  • 監督:7点
  • GKDF:6点
  • MF:8点
  • FW:10点
  • 継続性:7点

長谷川健太監督の続投が早期に決まっていた名古屋グランパス。今回の移籍市場では、主力候補が数多く入れ替わった。センターバックではDF中谷進之介(ガンバ大阪)やDF藤井陽也(KVコルトレイク)、DF丸山祐市(川崎フロンターレ)が抜け、サイドバックもDF森下龍矢(レギア・ワルシャワ)が移籍。

韓国の浦項スティーラーズからDFハ・チャンレ、ヴァンフォーレ甲府からDF井上詩音、アビスパ福岡からDF三國ケネディエブスなどを獲得したが、経験値では低下が否めない。

一方、FW陣は浦和レッズから期限付きで加入し昨季16得点を挙げたFWキャスパー・ユンカーを完全移籍に移行。アビスパ福岡で10得点を挙げたFW山岸祐也や京都サンガで10得点のFWパトリックも獲得し、リーグ屈指の陣容が完成した。守備の安定に長けた長谷川監督が手腕を発揮できれば、上位争いもあり得るだろう。


アルビレックス新潟 写真:Getty Images

6位:アルビレックス新潟

計39点

  • 監督:8点
  • GKDF:7点
  • MF:8点
  • FW:7点
  • 継続性:9点

昨季はJ1復帰1年目にして五分の成績で10位に入ったアルビレックス新潟。松橋力蔵監督は年齢に関係なく多くの選手を起用し、競争を促すことに成功した。ただし、好成績を残すと主力が狙われるのはサッカー界の常。

DF渡邊泰基(横浜F・マリノス)やMF高宇洋(FC東京)、MF三戸舜介(スパルタ・ロッテルダム)などにオファーが届き移籍となったものの、いわきFCからDF遠藤凌とMF宮本英治、ヴァンフォーレ甲府からMF長谷川元希を獲得しており、大きな変更は必要ないだろう。

また、最前線はFW鈴木孝司の4得点に留まっていたが、サガン鳥栖で9得点を挙げたFW小野裕二を加えて戦力アップに成功した。志向するサッカーに沿った補強ができており、昨季以上の順位に入る可能性も十分あるだろう。

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