人と人とがつながる機会を 異業種でタッグ組み、南紀白浜で歴史・文化の体験ツアー

ツアーに携わる(左から)熊野幸代さん、遠藤賢嗣さん、尾崎寿貴さん

 和歌山県白浜町にある白浜、富田、椿の各地区の歴史や文化を学び、体験してもらう1泊2日のツアーが2月に開かれる。「人と人がつながる機会をつくりたい」という共通の思いを持つ旅館の女将(おかみ)、美容師、農家が協力して企画した。「各地の特色を知ってもらうきっかけになればいい」と期待している。

 椿温泉の文化である湯治を守り、広めようとしている椿の旅館「しらさぎ」女将の熊野幸代さん(50)が、地域の歴史や産業を組み合わせたツアーができないかと考えた。JR白浜駅(白浜町堅田)前にある「真珠ビル」のオーナーで美容師の尾崎寿貴さん(35)、同町中で農業を営む遠藤賢嗣さん(37)に声をかけた。

 尾崎さんは、元は実家だった真珠ビルを全面的に改修。地元の人や観光客が利用できる場にすることで、白浜駅前に活気を呼び戻そうと考えている。遠藤さんは、自身の畑で観光客らに農産物の収穫を体験してもらう取り組みに携わっている。熊野さんは「以前から2人の活動を知っていたので声をかけやすかった」と言い、2人は「(企画の)話を聞いて『面白そう』と思った」と口をそろえる。

 ツアーは17、18日。尾崎さんは真珠ビルで白浜駅前の歴史や今後の展望を語る。往年の白浜温泉街や駅前を写した写真約50点を展示する。遠藤さんの畑ではレタスの収穫体験がある。収穫したレタスを夕食に使う「しらさぎ」では、熊野さんが湯治について話すほか、土鍋でおかゆを作る。交流の時間も設ける。

 熊野さんは「人と人とのつながりは元気でいるための大きな要素。尾崎さんと遠藤さんの思いも共有しながら、つながりをつくっていきたい」と話す。2回目以降の開催に向け、参加者には感想を聞くという。

 ツアーの料金は中学生以上2万3150円、小学生1万8500円。定員20人で、申し込みは7日まで。問い合わせは、平日の午前10時~午後5時に窓口の南紀白浜エアポート(紀伊トラベル)(0739.42.2352)へ。

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