金沢―敦賀1000人試乗 一般向け「明るい話題で復興加速を」

新幹線に乗り込む試乗会の参加者=3日正午、JR敦賀駅

 3月16日に開業する北陸新幹線金沢―敦賀間の一般向け試乗会は3日始まり、抽選で選ばれた約1千人が開業より一足早く新たな鉄路を体感した。能登半島地震で親族や知人が被災した参加者もおり、敦賀延伸が震災からの復興につながるよう期待を込めた。

 試乗会は金沢駅と敦賀駅をそれぞれ出発点とする往復2コースが用意された。JR西日本によると、各コース約500人が乗車した。

 金沢駅もてなしドーム地下広場に設けられた受け付けには、試乗を心待ちにした参加者が列をつくった。新幹線は午前11時41分に出発し、午後0時39分に敦賀駅に到着した。

 父、弟と参加した金沢市兼六小4年の安念義弘君(10)は電車に関係する仕事が夢だといい、「サンダーバードより速いスピードや新しい敦賀駅が楽しみ」と話し、新幹線に乗り込んだ。

 敦賀市出身の柴田博さん(77)=金沢市小坂町=は親族が奥能登で被災したといい、「敦賀延伸という明るい話題で北陸を訪れる観光客が再び増え、石川県内の復興が加速してほしい」と話した。

 敦賀駅では、自治体関係者がコンコースにPRブースを設け、午後0時35分に出発した新幹線をホームで見送った。

 試乗会は4日も約1千人が乗車して開かれる。2日間の定員2千人に対して応募総数は15万315人で、倍率は約75倍だった。

© 株式会社北國新聞社