【REPORT】Hi-Fi Un!corn、初の東名阪ツアーを見事完走!“感謝の気持ちを音楽で届けていく”

昨年6月に日韓同時デビューを果たした5人組ボーイズバンドのHi-Fi Un!cornが、ニューシングル「U&I」を引っ提げた初ツアー「Hi-Fi Un!corn 1st Livehouse Tour ~U&I~」を開催。

1月17日(水)の名古屋公演を皮切りに、1月27日(土)の東京公演を経て、2月2日(金)の大阪公演でファイナルを迎えた。最新曲「U&I」などオリジナル曲はもちろん、FTISLAND、CNBLUE、N.Flyingなど先輩バンドのカバーから、BTS(防弾少年団) ジョングクの「Seven」、Adoの「新時代」、King&Princeの「シンデレラガール」など、名曲のバンドアレンジまで多彩なカバー曲満載、全21曲2時間超のライブを展開した。今回、止まない拍手にダブルアンコールで応えた1月27日の東京・EX THEATER ROPPONGI公演の模様をレポートする。

Hi-Fi Un!cornは、TBS×韓国の放送局SBSグループ×韓国の芸能事務所FNC ENTERTAINMENTの3社が組んで開催していた日韓合同サバイバルオーディション番組「THE IDOL BAND:BOY'S BATTLE」で優勝し、昨年6月26日にCNBLUE ジョン・ヨンファのプロデュース曲「Over the Rainbow」で日韓同時デビューを果たしたオム・テミン、フクシマ・シュウト、キム・ヒョンユル、ソン・ギユン、ホ・ミンから成る5人組ボーイズバンド。

デビュー曲「Over the Rainbow」は、iTunesポップアルバムチャートで1位を獲得し、韓国では音楽授賞式「2023 K GLOBAL HEART DREAM AWARDS」でワールドワイドルーキー賞を受賞した。日本では、昨秋のドラマ「君には届かない。」にシュウトが出演し、Hi-Fi Un!cornの「U&I」が主題歌に抜擢。

「U&I」は発売前から、Shazam Discovery Japanチャートで1位、週間USEN HIT J-POPランキングで3位、Spotifyバイラルチャート(日本)で17位にランクインするなど、注目を集めた。また、9月に行われた日本での初ワンマンライブ「Hi-Fi Un!corn 1st Oneman Live ~ HELLO ~ Livehouse Volume 1」ではチケットをソールドアウトさせ、年末には「CDTVライブ!ライブ!年越しスペシャル!2023→2024」に出演するなど、人気急上昇中のHi-Fi Un!corn。

元気よくステージに登場した5人は、最新曲「U&I」でライブをスタートさせた。シュウトの歌いだしが切ないセンチメンタルなバラードに、ヒョンユルのギターソロが華を添えると、続けたニューシングル「U&I」のカップリング曲「Stay With You」では、一転してツインボーカルの妙が青春の疾走感をフロアにまき散らす。

リーダーのヒョンユルが「2024年、ちょっと明けすぎたんですけど……、あけましておめでとうございます! 今年もRaSiDo(ファンの名称)の皆さんと幸せな1年を作っていきたいので、よろしくお願いします」と挨拶し、「『U&I』は、僕たちにとって初ドラマ主題歌、そして初ツアーのタイトルに。僕たちに初めての経験をたくさんさせてくれたこの特別な初CDは、RaSiDoの皆さんのおかげでリリースすることができました」とファンに感謝を伝えると、シュウトが「お祭りのような気分で盛り上がれるセットリストを用意しました。シングルはもちろん、あんな曲やこんな曲もたくさん準備しています!」とライブへの期待を高めた。

◆J-POPからK-POPまで!多彩な楽曲をバンドアレンジ

そのシュウトの言葉通り、セットリストには意外なカバー曲が並んだ。今回、初披露されたカバー曲は、Hi-Fi Un!cornの末っ子・ミンの力強いドラムサウンドが印象的で「自分達の音楽でHi-Fi Un!cornの時代を作っていくぞ!」というメンバーの強い意志が感じられた「新時代」、アメリカ留学経験のあるテミンの英語力が光った「Seven」、ファンがタオルを回した「残響散歌」、バンドアレンジが効いた「炎」。そして初ワンマンでもファンを驚かせた嵐の「Love so sweet」と共に、バンドアレンジしたKing&Princeの「シンデレラガール」が前回を上回る衝撃を与えてくれた。

さらに、初ワンマン時にも披露したOasisの「Don't Look Back In Anger」、DISH//の「猫」、オーディション時や先輩バンドのオープニングアクトステージでも披露したもはや定番ともいえる優里の「ドライフラワー」に加え、SHAUNの「Way Back Home」は英語と韓国語のミックスバージョンで聴かせた。

「皆さん、カバー曲どうでしたか?」とシュウトが問いかけると、ファンが前回のワンマンでお約束となった「チャレッソ、チャレッソ、チャ~レッソ(よかった)」と返し、「これからもいろいろなジャンルに挑戦していきます」とテミンが息巻いた。

◆先輩バンドの楽曲にも挑戦「後輩としてカバーできて嬉しい」

K-POP界を代表するバンド、FTISLAND、CNBLUE、N.Flyingらが所属する事務所FNC ENTERTAINMENTの新人バンドであり、その先輩バンドたちがプロデューサーとなって指導したオーディション番組「THE IDOL BAND:BOY'S BATTLE」出身のHi-Fi Un!cornだけに、先輩バンドたちのカバー曲にも挑戦。これまでにも先輩たちとのコラボやカバーはしてきたが、今回はいずれも初挑戦曲で臨んだ。

N.Flyingの「Kick-Ass」では同じツインボーカルバンドとしてボーカリスト2人のカラーが楽曲の魅力を引き立て、勢いそのままミンのドラムソロで繋げたスピード感あふれるFTISLANDの「Flower Rock」では、ミンのドラムとギユンのベースのリズム隊が煽りたてる。

また今回は、バンドだけでなく昨年末に開催された事務所のファミリーコンサート「2023 FNC KINGDOM - Greatest Show –」でSF9のユテヤンとコラボしたSF9の「Good Guy」も披露。テミンとシュウトがサビでセクシーなウェーブの振付に挑戦して会場を沸かせたが、シュウトは「FNC KINGDOMでテヤン先輩がいろいろなことを教えてくださったおかげで、自信を持ってパフォーマンスすることができました」という。

ヒョンユルは「オーディション番組のプロデューサーの曲を後輩としてカバーできて嬉しい」と改めて1年前を振り返ると、テミンは「オーディション番組が終わってから、僕たちの生活はめまぐるしく変化しました。でもその変化が楽しいし、その変化のおかげで皆さんの前に立てています。いいきっかけをくださった先輩に恩返しできるように頑張ります」と決意を語った。

本編最後は、再びオリジナル楽曲をプレイ。テミンが「幸せで暖かい気分にしてくれる曲。今回のツアーで初披露する、僕が大好きな曲です」と紹介した軽やかなポップチューン「Icecream Girl」と、オーディション番組で彼らを優勝に導いた「DoReMiFa-Soul」でHi-Fi Un!cornらしさを主張。イントロで会場から歓声が上がったキャッチーな「DoReMiFa-Soul」では、「君がいれば」という歌詞を「RaSiDoがいれば」に替えて歌うという場面も見られ、会場中がリズムに合わせて手を左右に振り、一体感が最高潮に達した。

アンコールは、彼らをデビューに導いてくれたプロデューサーでもあるCNBLUEの「SHAKE」カバーを初披露。軽快なこの曲で再び会場を楽しい雰囲気で包み込むと、サビのダンスをファンと一緒に踊る。ボーカルのテミンが参加した事務所の先輩・ロウンが主演を務めるドラマ「婚礼大捷」のOST(挿入歌)「Love Signal」、そして記念すべきデビュー曲「Over the Rainbow」を歌い終わって挨拶をしても拍手は止まず。急遽ダブルアンコールに再び「Stay With You」を歌い、5人がステージ中央でオフマイクで「以上、Hi-Fi Un!cornでした! ありがとうございました~!」と大きな声で感謝を伝え、ステージを降りて行った。

ヒョンユルは最後の挨拶で「今日は、本当にありがとうございます。どの活動も楽しいけど、やっぱりライブが一番楽しいです! そのライブはRaSiDoの皆さんがいてのもの。皆さんへの感謝の気持ちを良いステージで恩返ししたくてライブの準備を一生懸命しましたが、準備するライブがあるということが、僕の毎日を幸せにしてくれました」と明かし、「やっぱり皆さんの前で演奏するのが一番楽しくて、一番幸せです! 今年はもっともっとたくさん会える1年にして、幸せな年を作っていきたいです」と今年の目標を語った。

ギユンは「今日のライブ、本当に幸せでした。こんなに素敵なステージに立てて、本当に嬉しいです。でもこのステージは、決して僕たちの力だけでできたものではありません。スタッフの皆さん、関係者の皆さん、そして一番の味方でいてくれるRaSiDoのおかげで僕たちがいます」と感謝を伝え、「まだ足りないところも多い僕たちですが、そんな僕たちを応援しに来てくれたRaSiDoのことを絶対に忘れません。今日が終わったら、またひとつ成長したHi-Fi Un!cornになると思います。なので、これからのHi-Fi Un!cornにも期待してください!」と今後の活動への期待を高めた。

ミンは「僕はドラムを叩いているときが一番幸せな人なのですが、今日のライブはその中でも特別に幸せな時間でした。僕と同じように、皆さんにとっても幸せな日になってくれたら嬉しいです。僕たちはもっともっと大きい夢を叶えるためにもっともっと頑張ります。これからも応援、よろしくお願いします!」と話し、テミンは「今回のツアーは新しく挑戦する曲が多くて、心配も緊張もしました。でもライブが始まって、皆さんの前に立って、皆さんの顔を見たら心配がなくなって、ただ幸せな感情だけになりました。皆さんのおかげです。ありがとうございます」と感謝を伝えた。

また彼は「僕が歌う理由は、僕の音楽を聞く人を幸せにしたい、慰めたいからですが、今日は逆に僕が皆さんからたくさんの力をもらいました。まだ足りないところもありますが、ひとつ約束したいのは、僕たちがこれから死ぬまで皆さんの前に立つために頑張ることを止めないということ。これからも温かい応援、よろしくお願いします!」と更なる成長を約束した。

最後にシュウトは「2023年6月にデビューさせていただき、9月に初ワンマンライブ、そしてこうしてツアーができたのは本当にRaSiDoの皆さん、メンバー、支えてくれたスタッフの皆さんがいるからです。この感謝の気持ちをこれからも音楽という形で、皆さんに届けていけるように日々精進しますので、これからも応援をお願いします!」と伝えた。

取材・文/坂本ゆかり

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