変わる静岡駅北口エリア…4月に15階建ての高層ビルオープン 新たに27階建ての高層ビル建設計画も 静岡市

片山恵介ディレクター:「JR静岡駅北口の再開発ですが、あちらに見えます『M20』というビルが4月にオープン予定で、専門学校などが入る予定です。一方、御幸町通りを挟んでこちらの紺屋町、御幸町地区の老朽化したビルを解体し、新たに住宅などが入る27階建ての高層ビルを建設するということです」

生まれ変わる静岡市の玄関口

静岡市の玄関口、JR静岡駅北口エリアが生まれ変わろうとしています。去年7月には静岡東急スクエアが閉館。翌月に「けやきプラザ」として再スタートしました。さらに去年10月には「静岡マルイ」の跡地に国内最大級のホビーショップ「駿河屋」が誕生しています。こうした、街の再開発が今、さらに加速してきているんです。

2カ月後の4月1日にオープン予定のビル。その名も「M20」。御幸町の20番地に建つことから一般公募で命名されました。地下1階、地上15階のビルで総事業費はおよそ92億円、静岡市からはおよそ10億円の補助金が出ています。

地下の階から2階までが商業テナント、3階と14階、15階がオフィスフロア、4階から13階に静岡理工科大学の研究室や本部機能などが入り、さらに現在、葵区の鷹匠にある静岡デザイン専門学校も移転し、入居する予定です。

御幸町9番・伝馬町4番地区市街地再開発組合 林裕司事務局長:「静岡デザイン専門学校の学生さんが、最終的には700人ぐらいになるのではないかというようなこともお聞きしておりますし、さらに駿河屋がオープンしたということで、今までのにぎわい、人通りに加えて、さらに若い方の動きがこの一角で新たに生まれるだろうというのは、この静岡の駅前としては新しい形を生み出してくれるのではないのかなと期待しています」

M20が建つ場所では、2021年に前のビルの解体工事が始まり、おととしから建設工事が始まりました。ところが…。

御幸町9番・伝馬町4番地区市街地再開発組合 林裕司事務局長:「建築資材の高騰というのは、やはり非常に大きな問題になってきてます。予定事業費とか工事費をなかなか見直すというのも厳しいところがありますので、設計ですとか、あと施工材料だとか、そういったところを工事施工者といろいろ協議しながら何とかそれを極力吸収できるようにということでやっております」

オープンまで残り2カ月。ただ、再開発はここからがスタートだといいます。

御幸町9番・伝馬町4番地区市街地再開発組合 林裕司事務局長:「実際、再開発というのは工事が出来上がったから再開発が終わるということではなくて、それを核にした地域との繋がりですとか、新しい街の要素となっていくというのが再開発の本来の目的と思いますので、実際にはまだまだこれからがスタートという部分もあるんだろうなというふうに個人的には考えております」

別の高層ビルの建設計画も

完成間近のビルがある一方、実は静岡駅北口エリアでは、新たに別の高層ビルの建設計画が持ち上がっています。どういった計画というと…。

松坂屋静岡店と葵タワーの間に、高層ビルが。別のイメージ図を見てみると、街並みもだいぶ変わるように見えます。

JR静岡駅北口に「M20」とは別に持ちあがった高層ビルの建設計画。地下1階、地上27階と、静岡市で一番高い、葵タワーに迫る高さとなる見通しです。施設は地下~2階までが飲食店や物販などの商業エリア、3階~6階がオフィスエリア、7階~27階が分譲マンションとなり、あわせて270戸がつくられる予定です。

紺屋町・御幸町地区市街地再開発準備組合 金井宣雄事務局長:「静岡駅前の政令指定都市の玄関口の顔として、街づくりの拠点をつくっていこうというのが発想でございます。静岡市なかなかデータ的には、通行量もだいぶ減ってきている。なおかつ地元の紺屋町名店街の活性化もなかなか図れない。そういう中で、ここの地権者の皆さんが、共同して再開発事業をやっていこうという発想が最初でございますよね」

高層ビルの計画が浮上した背景には、この街ならではの課題があるといいます。現場一帯は1960年前後に建築されたビル群(防火建築帯)となっていて、建物や設備の老朽化が進み、更新時期を迎えています。

紺屋町・御幸町地区市街地再開発準備組合 金井宣雄事務局長:「ここの呉服町の通りというのは、いわゆる昔の、防火建築帯と言いまして、防火建築物というビルがいくつか並んでいる。しかも、うちのエリアにつきましても、そういう建物がいくつかあるという中で、建物と地下通路が一体化の建物になっているというところで、それを建て替えるには、建物を壊せば地下道も壊れてしまうようなそういう構造になっております。それを建てかえていくには、地下道も一体としてやり直そうという発想でございますよね」

実際に地下道を歩いて説明してもらいました。

紺屋町・御幸町地区市街地再開発準備組合 金井宣雄事務局長:「ここは2本地下道があって高さが違う。こちらについては、このように階段で約1mぐらい差がある、こういうものを少しでも下げて、バリアフリーに近づけるそういう努力をする」

Qバリアフリーにすることによってどのような効果がある?
A.「人を呼び込むのにはつながる。静岡市は地下道でもつながっている街でございます。ですから、当然うちのビルの地下で駅へ直結できる、一番のメリットはそこにあると思いますよね。」

またビルの建設に合わせて、呉服町通りも再開発予定だといいます。

紺屋町・御幸町地区市街地再開発準備組合 金井宣雄事務局長:「その交差点からこの部分は車が一切通れない状態で、わかりやすく言えば土も盛り上げて、木も植えて人だけ歩けると。キッチンカーが入ったりイベントをやったりそういうエリアにする。」

続々と計画が浮上する静岡駅北口エリア。新たな高層ビルは2026年度に工事着工、完成は2029年度を目指しているということです。

(1月30日放送)

© 静岡朝日テレビ