『新空港占拠』大和が武蔵に残した“意味深な言葉” “山猫”という黒幕の存在も明らかに

1年前に病院を占拠した“鬼”たちのリーダーであった青鬼こと大和耕一(菊池風磨)に会いに行く武蔵(櫻井翔)。そこで得られた情報は、空港を占拠している“獣”たちのひとりである駿河(宮本茉由)が、病院占拠の犯罪計画を練って大和たちに売ったビジネスパートナーであるということのみ。これで前作のラストで見られた“blue(=青鬼)”から駿河に送られたメールの意味が判明したことになるのだが、それ以上のつながりは見えてこない。しかし、大和は「十二支に入れなかった動物、なんだかわかりますか?」と武蔵に意味深な言葉を残す。

2月3日に放送された『新空港占拠』(日本テレビ系)第4話。駿河と同様、1年前の事件の際に指揮本部で武蔵と共に戦った丹波(平山浩行)が獣のひとりであったこと、彼の妻の死に関わっていた衆議院議員の北見(手塚とおる)が、顔を変えて海外への逃亡を企て人質のなかにいたことが前回のエピソードで判明。獣たちによって絞首台の装置にかけられた北見がついた“嘘”とは何なのか、武蔵は限られた時間のなかで解き明かすことになる。その一方、謎の男(ジェシー)の手術を終えて自宅に監禁されていた裕子(比嘉愛未)とえみり(吉田帆乃華)は隙を見て逃げ出すことに成功。そこに警察官の綾部(吉田健悟)が駆けつけるのである。

殺された妻のため、母親を失った息子の直樹(岩瀬洋志)と共に“獣”になった丹波。その悲しみの根源をたどることになる今回のエピソードは、元警官である丹波や、武蔵をはじめとした劇中の警察官たちに目を向けたエピソードであったといえよう。武蔵は第2話で本庄(瀧内公美)に言われた「ここは私の街です」という言葉を信じ、彼女に裕子たちの救出を託す。本庄は武蔵からの信頼に応えてえみりを救出し、武蔵は情報分析官としての役目を命懸けで全うしようとする志摩(ぐんぴぃ)の救出に向かう。

また、丹波の妻を殺した川越が、北見の指示でそうするに至った経緯には何らかの理由があることだろう。それは今後“5年前の事件”について明らかになると同時に見えてくるはずだ。裕子たちを拉致した綾部という警察官のねらいについても然り。彼が川越の指示で動いていた理由、謎の男の正体と、彼と綾部の関係について。そしてもちろん、彼らの動きを獣たちが監視していた理由についても、現時点ではいまひとつ関連性が見えていない。ここで新たに浮上したのが、川越が死の直前に口にする“山猫”という黒幕の存在だ。

前述した大和の言葉――十二支に入れなかった動物は?――という問いで本庄が思い浮かべるのは“ねこ”。この言い伝えには諸説あるが、“ねこがねずみに騙されたから”という話が一般的に知られている。第1話の頃からポイントとして挙げていたことだが、獣たちのなかには本来十二支に含まれるはずの“ねずみ”と“いぬ”がいない。“山猫”がすべてを裏で操っているから、宿敵である“ねずみ”を排除したということなのだろうか(“いぬ”がいないのも、ねこの愛玩動物としてのライバル的存在だからということか?)。
(文=久保田和馬)

© 株式会社blueprint