再現イベント 令和に現れる高田瞽女 雁木歩き門付け歌響かせ

雁木の軒下で住民に歌を披露する「門付け」を再現。大勢のカメラが取り囲み撮影した

盲目の旅芸人、高田瞽女を再現するイベント「高田瞽女ふたたび」(NPO法人高田瞽女の文化を保存・発信する会主催)が3日、上越市本町6、大町5などで行われた。瞽女姿の一行が雁木通りを歌い歩き、門付けを行った。

三味線奏者で、瞽女唄継承者の月岡祐紀子さんと、公募で選ばれた女性3人が瞽女に扮(ふん)し、雁木通りを歩いた。道中では旧今井染物屋や瞽女ミュージアム高田、町屋の住宅などに立ち寄り、玄関先などで門付け歌を歌った。

高田瞽女は1年のうち約300日を旅先で過ごしたが、1月と2月は高田の家で暮らし、高田の住民に呼ばれ門付けをしていた。訪れる際は角巻きと瞽女笠(がさ)姿で、今回のイベントではその様子を再現。正月ということで、縁起の良い歌が喜ばれたという。

今回から新たに門付け先となった丸山進さん宅(同市大町5)では、道路に面した前座敷に家族が集まり、窓を大きく開けて一行を歓迎。雁木の下で歌う様子を鑑賞した。家族からは「とてもいい声」と喜びの声が上がった。

瞽女の一人を演じた砺波由香子さん(同市木田1)は「瞽女さんに興味があり、やってみて楽しかった。文化的な行事に参加できた」と話した。

貴重な風景を撮影しようと、大勢の写真愛好家らが詰めかけるのも同イベントの特徴。今年も100人を優に超える愛好家が一行を囲み、道中を撮影。愛好家同士やスタッフと火花を散らしていた。

後半は町家交流館高田小町で瞽女宿ライブを実施。月岡さんが門付け歌などを披露した。

三味線を弾きながら雁木通りを歩く。瞽女唄継承者の月岡さん(先頭)と、公募で選ばれた3人が瞽女を演じた

© 株式会社上越タイムス社