「冬ドラマ」“期待度ランキング”上位3作品、第1話は実際どうだった? 徹底レビュー

(左から)山下智久、田中圭、永野芽郁 クランクイン!

2024年も年明け早々面白いドラマが目白押し。人気シリーズの続編から、完全オリジナル脚本のラブストーリーまで、今後の展開が楽しみな注目作品ばかりだ。今回は、クランクイン!が事前に実施した2024年「期待の冬ドラマ」ランキングTOP10でトップ3に輝いた作品の第1話を徹底レビューする。

■期待度第3位 『君が心をくれたから』 つらすぎる2人の運命が気になって仕方がない!!

自分に自信を持てない雨(永野芽郁)は、その性格や名前から“ザー子”と揶揄(やゆ)されていた。ある日、雨は明るくて真っ直ぐな太陽(山田裕貴)と出会い次第に心惹(ひ)かれていく。10年後に2人は再会を果たすが、そこには残酷な運命が待ち受けていたのだ。雨は事故にあった太陽の命を救うために「案内人」に心を差し出すことになる…。

“過酷な奇跡”が2人をどう導くのかに注目が集まる『君が心をくれたから』(フジテレビ系)。ヒロインの雨を演じる永野芽郁と相手役の太陽を演じる山田裕貴は、『ハコヅメ~たたかう!交番女子~』(日本テレビ系)以来の共演。当時は恋愛関係になる役ではなかったことから、SNSでは「永野芽郁と山田裕貴が見せてくれる化学反応が楽しみ」という声も多いようだ。

第1話の時点で注目したいのは、長崎ロケならではの美しく幻想的な街並みもさることながら、 “過酷な奇跡”の正体が明かされたことだ。放送開始まで全く知らされていなかった“過酷な奇跡”は、「五感を失うこと」だった。つまりは、“見ること”、“聞くこと”、“におい”、“味”、“感触”を3ヵ月かけて一つずつ失うということなのだ。あまりにもつらすぎる展開にぼう然としてしまうが、今後五感を失った雨がどのような運命を辿っていくのか、そして1話の時点で雨に待ち受ける現実を知らない太陽がどのように事態を理解していくのかなど、気がかりなことばかり。まさにこの先の2人の運命が気になって仕方がない作品だ。

■期待度第2位 『正直不動産2』 癖ツヨキャラの個性のぶつかり合いが魅力

たたりによってうそをつけなくなってしまった永瀬財地(山下智久)は、不誠実な営業を改め正直営業で着々と売り上げを伸ばしていた。だがそこに現れたのは、かつての永瀬の師匠で営業成績ナンバーワンを誇っていた神木涼真(ディーン・フジオカ)。ライバル会社・ミネルヴァ不動産の社員となった神木は永瀬の客を奪おうとする…。

2022年に放送された『正直不動産』(NHK総合)の続編である本作には、永瀬をはじめ月下(福原遥)、大河(シソンヌ・長谷川忍)、美波(泉里香)など人気キャラクターを演じる役者陣が続投。前作同様、不動産にまつわる豆知識を交えながらクスリと笑えるハートフルな作品となっている。

やはり第1話の見どころは山下演じる永瀬が“正直風”に吹かれて本音を話してしまうシーンだろう。ますますパワーアップした“正直風”に翻ろうされる永瀬のチャーミングな姿を存分に堪能してほしい。たたりがいつなくなるのかは気になるけれど今のままでいてほしい、そう思わせてくれる永瀬の演技の絶妙な塩梅が本作の面白さでもある。さらに視聴者はシーズン1ですでに各キャラクターの個性を知っていることから、またあのキャラクターを見ることができるというファン心理も期待ランキング2位となった理由だろう。それぞれの役者が的確に役をとらえ、個性を見せてきた『正直不動産』シリーズだからこそ、シーズン2への期待が高まるのは納得だ。癖アリな新キャラクター・神木の登場によってますます盛り上がりを見せる『正直不動産2』は、強烈な個性のぶつかり合いが魅力。癖ツヨなキャラクターたちの活躍を見逃せない。

■期待度第1位 『おっさんずラブ‐リターンズ‐』 ラブだけではない続編は、何度も繰り返し見るべし!

春田創一(田中圭)がドSなイケメン後輩だった牧凌太(林遣都)と晴れて結婚。ラブラブ新婚生活が始まるかと思いきや、些細なことで2人はすれ違っていく。おまけに春田に思いをよせていた武蔵(吉田鋼太郎)が家政婦として派遣され…。

期待度ランキング堂々の1位は『おっさんずラブ‐リターンズ‐』(テレビ朝日系)だ。笑いあり、時にホロリとくる愛の物語を描く大人気作『おっさんずラブ』待望の続編だ。

続編ということで、各キャラクターをどのように描くのか、そしてどのような関係性を作るのかが注目されていたように感じる本作。馴染みの面々が次々と画面に登場する中で、どのキャラクターもこれまでに築きあげてきた個性がさらに強く打ち出され、懐かしさと喜びに胸が熱くなる。特に武蔵は天空不動産の部長から一転、家政婦として春田と牧の元に舞い戻ってきたが、1話の時点ではまだ春田への思いが立ち切れていない様子。また春田と牧の暮らしがラブラブなだけではなく、どの家庭にも「あるある」な家事の分担での一悶着や価値観の違いを抱えることに深く共感させられた。日々の暮らしと地続きの問題と向き合いつつ、突然予想もしない出来事が舞い込んでくる展開も本作の魅力だろう。なぜか新キャラクターの和泉(井浦新)が血だらけで倒れているという、ドッキリのようなハプニングも。

そこでしっかりと注目したいのが、1話の“導入”としての側面だ。春田と牧の新婚生活、そしてそこに現れる家政婦の中でも最高ランク“ユニコーン家政婦”にまで上り詰めた武蔵の存在はもちろん、他のキャラクターたちがどんな生活をしているのかという些細な部分も見逃せない。今後は、和泉や菊之助(三浦翔平)がストーリーを紡ぐ上でのキーとなりそうなことから、春田や牧、武蔵の存在だけでなくすべての登場人物について、ドラマを何度も見返して隅々まで把握しておくことが2話以降を楽しむ上での重要なポイントになってくるだろう。

個性的なキャラクターの活躍が見どころの冬ドラマ。やはりランキング上位の作品はどれも「らしさ」が垣間見えるものばかりだ。今期は早くも2〜3話で驚くような展開が見られる作品が多く、序盤から飽きさせない。今後は、さらに大きく盛り上がることが期待できるだろう。(文:Nana Numoto)

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