愛犬を360度撮影し採寸、ぴったりおしゃれな「犬服」作ります 高砂の日本機設工業、オーダーメードで

カメラが360度を取り囲む撮影スタジオ=明石市魚住町住吉2

 プラント設計などを手がける日本機設工業(兵庫県高砂市)が、新事業としてオーダーメードの犬用の服を作っている。こだわりは70台のカメラで犬を360度撮影して採寸する方法だ。瞬時に撮影することでストレスを減らし、細部まで計測できるという。担当者は「ぴったり合う服が見つからないという悩みを解決しながら、見た目もおしゃれに仕上げている」と話す。(谷川直生)

 1961年創業の同社は主に産業機械やボイラーなどの設計を行う。3Dのコンピューター利用設計システム(CAD)を導入したことをきっかけに3D分野に力を入れることになり、社員から集まった100件近い案の中から犬用の服の製作を事業化。昨年11月、明石市魚住町住吉2に店舗兼工場「LB.Dog」を開いた。

 発案者のプロダクトマネジャー近藤実仁さん(47)はミニチュア・シュナウザーを飼う。「かわいいという理由以外に、ダニなどの虫や植物による皮膚病の予防、防寒のためワンコに服を着せる人は多い」。自身も愛犬に服を着せるが、首周りや丈、袖の長さなどが全てぴったりな服に出合うことが少なかった。

 同店ではまず、70台のカメラで全身を撮影する。緊張やストレスを減らすため、カメラは全てシャッター音の鳴らないミラーレスで、じっとしていなくても数秒で完了する。

 写真から生成される「3Dモデル」を細かく計測し個体情報として登録。購入者は撮影後に渡されるIDを入力した上で、ネット上でデザインを選ぶ。

 デザインは、個人で犬用服の製作経験があるデザイナーらが担当。素材も重視し、英国の生地メーカー・リバティの綿100%の生地などを使用する。しわの寄り方も計算しながら縫製は全て手作業だ。

 「飼い主はペットに対してわが子と同じくらい愛着がある。ストレスの少ない服で、一緒に出かけるなどして楽しんで」と同じく愛犬家の原寿一社長(50)。近藤さんも「ワンコがうれしくて、それを見る飼い主が喜ぶ。そんな服に仕上げたい」と語った。

 半袖カットソー(税込み1万6500円)、長袖ハイネックシャツ&オーバーオールセット(同3万580円)など14種がある。詳細は「LB.Dog」ホームページから。

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