沖縄おでんの老舗「おふくろ」80代大将とおかみ「うれしい」 やっぱりステーキ運営会社は「光栄」 店名・だし引き継ぎ2月9日再オープン 

 やっぱりステーキなどを展開するディーズプランニング(那覇市、義元大蔵代表)が、那覇市久茂地の沖縄おでん専門店「おふくろ」を事業承継し、2月9日にリニューアルオープンする。同店は大将の山川秋久さんと、おかみの正子さんの夫婦が、浦添市や宜野湾市などでの営業を経て、50年近く続けてきた老舗で、店名も味も、そのまま引き継ぐ。(政経部・大城大輔)

 夫婦がともに80代となり、体力面に不安を抱える一方、コロナ禍後に再び店が忙しくなり、昨年、店を引き継ぐことを決めた。

 子ども3人はすでに仕事に就いていることもあり、「県事業承継・引継ぎ支援センター」を通じて、後継者を探していたところ、ディーズプランニングが承継することになった。

 おでんは、豚骨とカツオからとった「秘伝のだし」で、開業以来つぎ足してきた。「テビチ」や「チマグ」といった沖縄ならではの具材が人気だ。チャンプルー料理など20品ほどの総菜も提供してきた。

 食べ飲み放題が特徴で、昨年3月に2千円から2時間2500円に値上げしたが、リーズナブルな価格で周辺の企業で働く地元客のみならず、多くの観光客も訪れている。店内には著名人との記念写真も飾られている。

 山川さん夫婦は引退し、ディーズプランニングのスタッフで運営する。担当者は「歴史ある沖縄おでんの味を失うのは非常にもったいないという思いだった。引き継ぐことができるのは光栄」とコメント。店名のほか、つぎ足しのだしも、引き継ぐ。

 価格は原料の値上がりに伴い、飲み食べ放題で2時間3500円となるが、生ビールやハイボールなどの制限をなくし、泡盛の種類も増やすという。

 正子さんは「戦後、復興して飲み屋ができて、先輩たちが頑張ってつくってきたのが『沖縄おでん』。その味を残したかった。成功している立派な会社が引き継いでくれて、うれしい」と喜んだ。

事業を譲り、引退する「おふくろ」の山川秋久さん(左)と、おかみの正子さん=1月30日、那覇市久茂地の同店
沖縄おでん専門店「おふくろ」

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